武藤善則師 騎手目指す息子、現役アイドルの娘と夢かなえたい

[ 2013年12月6日 05:30 ]

家族、そして自身のことを語る武藤師

 「ほら、見てみて」武藤善則師(46)がうれしそうに新聞を差し出した。今年10月、競馬学校騎手課程に合格した長男・雅(みやび)くん(15)が高校の馬術大会で準優勝した時の記事。昨年は不合格で高校に進学したが、2度目の挑戦で見事夢のスタートラインに立った。「自分から騎手になりたいと言い始めた。反対しなかったけど、中途半端にやるなとだけ言った」

 夢に向かって突き進む息子をバックアップしてきたが、「イヤでイヤで仕方がなかった」ことが一つだけあった。入学試験の保護者面接だ。

 86~01年までの自身の騎手生活は「あまり真面目ではなかった」と振り返る。子供が生まれてから尊敬される親でいたいと調教師転身を決断。5度目の挑戦で合格したが、真っ先に頭に浮かんだのは「もう面接しなくていいんだ」。それほど面接は精神的疲労が大きく、今でもトラウマになっている。

 娘の彩未(あやみ=17)は現役アイドル。ライブでの言葉が心に響いた。「お父さんが育てた馬に弟が乗って、私は競馬場で歌いたい」。ダービーの大舞台でこれがかなえば、最高だ。

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2013年12月6日のニュース