【菊花賞】使って良化 不気味ムード漂うナリタパイレーツ陣営

[ 2013年10月16日 06:00 ]

「1回使ってガラッと良くなった」と久保助手が手応えを感じているナリタパイレーツ

 【G1ドキュメント=15日】栗東全休日取材。寺下は、ある出走馬の厩舎前で、担当者を待っていた。すると、1台の車が目の前に止まった。「秋華賞取ったか?押さえとけって言うてたんや」。リラコサージュを担当する倉ケ崎厩務員だった。秋華賞は15番人気で3着。先週の全休日に同厩務員を取材した記者は、その強気な口ぶりに心躍ったらしい。全休日は陣営の感触を見極める絶好の機会とあらためて感じた寺下。気合を入れて厩舎を回った。

【菊花賞】

 気になっていたナリタパイレーツの宮本厩舎へ。担当はロンドンブリッジ(98年桜花賞2着)を手掛けた久保助手だ。開口一番「1回使って、ガラッと良くなっているよ」と力強いコメントが出てきた。

 前走の神戸新聞杯は離れた3番手追走から、直線もしぶとく粘って6着。5カ月ぶりの実戦を考えれば上々の内容だったが、同助手の評価は違った。

 「勝ち馬(エピファネイア)に早めに来られて、夢も見させてもらえなかったな。ビビリな馬だし一気にかわされて、ひるんだみたい。じわじわ来られる分には、いいんだけどね」

 その性格をフルに生かすには、後ろから突かれながら運ぶ展開が理想。「物見しながら走るし、脚がたまっていく。楽に行かせてもらえれば、クィーンスプマンテ、ビートブラックみたいなこともあるから」。同助手は淀のG1を逃げ切った伏兵馬の名前を挙げて、不敵に笑った。

 パイレーツの未勝利Vも淀だった。単勝オッズは111・4倍の万馬券。再び、波乱を起こすかもしれない。寺下は全休日取材で不気味なムードを感じ取った。

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2013年10月16日のニュース