【皐月賞】インパラ勝利の方程式「ディープ×ストーム+Cデムーロ」

[ 2013年4月10日 06:00 ]

血統と鞍上は主役級のインパラトール

 先週の桜花賞は2頭しか出走していなかったディープインパクト産駒がワンツー独占。今週の皐月賞(14日、中山)も同産駒の登録は2頭、とくれば、当然注目が必要だ。領家政蔵師(69)が送り込む刺客がインパラトール。母の父ストームキャット、鞍上クリスチャン・デムーロ(20)まで桜花賞Vアユサンと同じ。今週も「ディープ×ストーム」旋風が吹き荒れる。

【皐月賞】

 桜花賞はアユサン、レッドオーヴァルと2頭のディープインパクト産駒が、鮮やかなワンツーを決めた。今週の皐月賞にも同産駒が2頭登録。注目は弥生賞Vカミノタサハラだが、血統構成ならインパラトール。母の父ストームキャットまでアユサンと同じ。この組み合わせからはキズナ(毎日杯)など活躍馬が多数出ており、最新のニックス(好相性配合)とも言われる。しかも手綱を取るのはアユサンをVへと導いたC・デムーロだ。

 領家師にこの話題を向けると「2週連続?そんなにうまくはいかんやろ」と笑った。だが、柔和な笑みは手応えの裏返しだ。「今年は混戦。正直、うちの馬でも差はないと思っている。先週と同じ血統で同じ鞍上。少しは追い風になってくれるといいな」

 前走・若葉Sは4着に敗れたが、完調とは言えない状態だった。今年の始動戦となるはずだった2月のきさらぎ賞は、レース前日に出走取消(左肩ハ行)。調整に狂いが生じ、昨年10月の萩S(1着)から16キロ増での出走だった。「前走は4角で他馬に付いていけなかった。ハ行は軽症で問題なかったが、アクシデントがあった分、能力を発揮し切れなかった…」と振り返る。

 だが、その後はすこぶる順調。「おっとりした性格なので、1度使った方がピリッとして乗りやすい。先週、騎手(C・デムーロ)に乗ってもらったが“前走より動きが素軽くなって反応もいい”と喜んでいた」と師。太め残りだった馬体も「見た目が全然違う。10キロは絞れるだろう」と引き締まった。

 来年2月で70歳定年を迎える領家師。「凄く楽しみ。新馬の時から期待していた馬だから」と、最後の皐月賞に思いをはせる。過去に4度挑戦し09年セイウンワンダーの3着が最高。「ワンダーより前に来てほしいね」。その先に続くのはもちろん「優勝」の2文字だ。

 ◆ニックス サラブレッド生産において、優秀な産駒が高い確率で生まれる相性の良い配合のこと。多くは「父」と「母の父」の組み合わせで表現される。最近ではオルフェーヴルとゴールドシップに共通する「父ステイゴールド、母の父メジロマックイーン」が有名。過去にはサクラチトセオーやエアグルーヴを輩出した「父トニービン、母の父ノーザンテースト」なども話題を集めた。

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