【フェブラリーS】イジゲン今度こそ!ベリーGoodな加速

[ 2013年2月15日 06:00 ]

追い切りでシュガーパイン(左)を突き放すイジゲン

 異次元の反転攻勢へ。「第30回フェブラリーS」(17日、東京)の木曜追い切りが14日、美浦トレセンで行われ、イジゲンが抜群のフットワークを披露した。初コンビを組むフランシス・ベリー騎手(32=愛国)も太鼓判を押す動き。JCダート15着大敗から一変する勢いだ。同レースの枠順は15日に決定、16日から全国で前日発売される。

【フェブラリーS】

 アイルランド屈指のジョッキーも思わず小躍りする走りだった。「イジゲンの背中から力強さがしっかりと伝わってきたよ。乗っていて気持ちがいい。肉体面も精神面も大満足さ」。ベリーは初騎乗の感触を口にすると、満面に笑みを浮かべた。

 2カ月の休み明けとは思えない引き締まった芦毛がWコースで躍動する。4コーナーで3~4馬身先行したシュガーパイン(3歳新馬)の内から馬体を併せ、直線では余力たっぷりに1馬身半突き放した。首を使った凄まじい加速力。「前走(JCダート)後に放牧しても体がなかなか回復せず、前哨戦(1月の根岸S)を断念したいきさつがある。ぎりぎり間に合った感じ」と堀師は控えめだが、追い切りの動きからは疲労残りの跡など全く感じられない。「実にいいコンディション」とベリーも手綱に伝わる手応えを語った。

 JCダートは異次元どころか、ライバルと同次元の脚も使えずブービー15着。出遅れ癖を再び露呈したとはいえ、あまりにもふがいない走りだった。「美浦から阪神への輸送を含めてコンディションに問題があったと思う。その直後、放牧先(ノーザンファームしがらき)へ移動しても体が回復しなかったから」と堀師は敗因を分析する。放牧で馬体を充電した上で、帰厩後は7本目の追い切りを重ねてきた。

 出遅れ対策にも試行錯誤を繰り返している。「前走時まではゲート内で落ち着くように練習してきたが、それでもレースでは暴れて出遅れた。そこでやり方を変えてみた」。ゲートで暴れるのは恐怖心のせいだと判断した同師は、練習で枠内に長い時間とどめる代わりに、毎日のように短時間ゲートに触れさせ、怖くないことを教えた。「今回はだいぶ改善してきた」と言う。

 雪辱を期す2度目のG1は2戦2勝の東京コース。「速い上がりにも対応できるのでこのコースは向いている。輸送リスクが少ないホームグラウンドで戦えるのは有利」(同師)。愛国ジョッキーとの新コンビでブービーから頂点へ。舞台装置は整った。

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