【ステイヤーズS】10歳トリック最高齢V 目指せ8年連続天皇賞

[ 2012年12月2日 06:00 ]

ステイヤーズSを制したトウカイトリック

 師走の名物マラソン重賞「第46回スポニチ賞ステイヤーズS」が1日、中山競馬場で行われ、10歳馬トウカイトリックが快勝。08年小倉大賞典でアサカディフィートがマークしたJRA平地重賞最高齢V記録に並んだ。優勝馬の関係者には落合紳哉スポーツニッポン新聞社東京本社編集局長から表彰状が授与された。

 北村宏の好騎乗で通算57戦目の大ベテラン馬が鮮やかな復活劇だ。「無理のない範囲で、できるだけ内に入れたかった」と鞍上が振り返ったように、大外15番枠から馬群の切れ目を見つけて内ラチ沿いに誘導。縦長の隊列の中、中団で折り合いに専念した。馬群が一気に固まった2周目3角からステッキを何度も振り下ろす。叱咤(しった)激励に応え、直線坂下で力強く抜け出した。「3、4角をうまくさばけた。ずっと追い通しだったが手応えは残っていた。きょうは俺じゃなくて、馬が頑張ったよ」。肩で息をする鞍上の表情には充実感が漂っていた。

 「本当に偉い馬。ジョッキーも完璧に乗ってくれた。きょうはそれに尽きる」。野中師は何度も「偉い」と繰り返し、愛馬を称えた。ディープインパクトと同世代。その息子ファタモルガーナを振り切っての重賞制覇は快挙と言っていい。有馬記念参戦は否定したが「この年齢で1戦1戦が勝負となるが、ここを勝った以上、8年連続の天皇賞(春)出走を目指したい」と、師は11歳となる来年の現役続行を明言。4歳から挑戦し続ける夢舞台へ、新たなチャレンジが始まった。

 ◆トウカイトリック 父エルコンドルパサー 母ズーナクア(母の父シルヴァーホーク)牡10歳 栗東・野中厩舎所属 馬主・内村正則氏 生産者・北海道三石町・土田扶美子さん 戦績57戦9勝 獲得賞金5億2595万6000円

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