【ジャパンC】スリプトラ ヴェリアン師、日本人妻の前で夢を

[ 2012年11月21日 06:00 ]

スリプトラを出走させるヴェリアン師(左から3人目)と花子夫人(右)

 スリプトラを送り込むヴェリアン師にとって、ジャパンC参戦は今回が初めて。しかし、実は日本と非常に縁が深く、来日は6回目だ。「競馬場も東京、中山、京都、阪神を訪れたことがある」と語る親日家。それもそのはず。彼の奥様は日本人。フライングスタート(ドバイのシェイク・モハメド殿下が設立した奨学金制度の競馬留学プログラム。世界中から選抜された将来のホースマンが2年間学ぶ)に選ばれた園部花子さんだ。

 英国生まれの同師は4歳でポニーに乗り始めた。「世界最大の障害レース、グランドナショナルを観戦するのが大好きで、障害ジョッキーを目指した」。高校時代は米国で過ごし、ハリウッドパーク競馬場で攻馬手として働いた。98~01年は英国の厩舎で見習い騎手に。英国だけでなく米国でも勝ち鞍を挙げた。

 その後、アシスタントとしてラクティ(03年チャンピオンSなど欧州屈指のマイラー。04年にはマイルCS出走、3番人気も掛かって14着)など、数々のG1馬に関わった後、昨年3月、厩舎を開業。同年10月にはナーレーンでオペラ賞を勝ち、G1初勝利。昨年は53勝を挙げ、今年も既に70近い勝ち鞍を記録。将来を期待される新進気鋭の1人だ。

 「日本馬が強いことはよく知っている。スリプトラは今まで以上にベストを尽くさないと厳しい。でも、状態の良さに期待して、私の夢であるジャパンC制覇を成し遂げたい」。妻の故郷で表彰台へ。若き調教師の、夢へのチャレンジが始まろうとしている。

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2012年11月21日のニュース