【エプソムC】トーセンレーヴ 史上初5きょうだい重賞V

[ 2012年6月11日 06:00 ]

【エプソムC】外から猛追するダノンシャーク(左)を抑えてレースを制したトーセンレーヴ

 超良血馬がついに重賞をつかんだ。「第29回エプソムC」が東京競馬場で行われ、3番手を進んだ1番人気トーセンレーヴが直線早めに抜け出し、デビュー11戦目で待望の重賞初Vを決めた。G1・6勝の姉ブエナビスタを含めた5きょうだいによる重賞制覇は史上初。重賞4連勝、同レース3連覇を狙った福永祐一(35)はダノンシャークで記録に挑んだが2着だった。

【レース結果】

 ついに届いた初重賞。超良血トーセンレーヴが目覚めた。名手ウィリアムズも一瞬ヒヤリとした。スタート直後に掛かるシーン。しかし、その後が見事。外から来たレッツゴーキリシマを前に置いてなだめた。残り500メートル、壁役キリシマが脱落すると早々とスパート。コースの真ん中を力任せに持たせ、ダノンシャークの猛追を首差しのぎきったところがゴールだった。

 特別3レースを含む4勝の固め打ちを演じたウィリアムズは喜びを爆発させた。「ファンタスティック!!ダービー(9着)で乗せてもらった馬だし、この馬のことは分かっているつもり。それだけに最高だ。スタート?良すぎて掛かってしまったが、運良く前に壁をつくれた。掛かったのを最小限にとどめられたのが勝因。早くゴールが来てくれと願っていたよ」

 08年セレクトセールで2億3100万円(税込み)の超高額で落札されたエリート。だが、これまで運がなかった。青葉賞3着で一度は逃したダービー切符。連闘のプリンシパルS1着でもぎ取ったが肝心のダービー当日は不良馬場。オープン特別3勝を重ねたが重賞では善戦止まり。池江師も「勝因?まず馬場が回復してくれたこと。確かに掛かったが、以前と違ってタメもつくれた。状態も良くなっていた」と目を細めた。2週前にはトゥザグローリーと互角に動き、最終追いはバーディバーディ(9日のアハルテケSをレコードV)をぶっちぎり。強い池江軍団の僚馬にモマれ、たくましさを増した。

 姉ブエナビスタを含め、5きょうだいでの重賞制覇はJRA史上初。当然、レーヴもここが最終目標ではない。「秋に向け、もう1つ勝っておきたいので中京記念(7月22日)へ。秋は毎日王冠(10月7日、東京)辺りから」。G1獲りへ、指揮官は明確なビジョンを示した。

 ▽トーセンレーヴ 父ディープインパクト 母ビワハイジ(母の父カーリアン)牡4歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績11戦6勝 獲得賞金1億5153万8000円。

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