【安田記念】連覇へ!リアルインパクト、岩田しごいた

[ 2012年6月1日 06:00 ]

<安田記念>スプリングパリオ(右)と併せ追い切るストロングリターン(中)、リアルインパクト

 連覇か、雪辱か。「第62回安田記念」の木曜追いが行われた。美浦では昨年Vのリアルインパクト、2着ストロングリターンの堀厩舎2頭が豪華併せ馬。それぞれ岩田康誠(38)、福永祐一(35)が栗東から駆けつけて騎乗し、早くも臨戦モードに突入だ。同レースは1日、枠順が確定する。

 連覇へ。ダービージョッキーが闘魂注入だ。リアルインパクトは栗東から駆けつけた岩田が手綱を取り、午前6時の開門直後にコース入り。ダートコース半周で脚慣らしを終えてからWコースに移動した。

 先導役のスプリングパリオ(3歳未勝利)、ストロングリターンを前に見る形で3頭縦列の最後方を追走。4角で2頭の内に潜り込むと、岩田がステッキで気合をつける。直線残り100メートルからはストロングとの一騎打ち。ゴール板では半馬身遅れたが、びっしりと手綱をしごかれ実戦さながらの迫力ある脚さばきを披露した。

 「先週より数段上向いている。動きが素軽くなった」。2週続けて追い切りに騎乗した岩田は、その激変ぶりに声を弾ませた。状態については「70%まで持ってくることができた」と控えめのジャッジだが、付け加えたコメントに自信が見え隠れする。「先週は30%の出来。1週間でこれだけ良くなったのだから、このひと追いで戦える状態になるだろう。向正面、スタンド前と手前(軸脚)もスムーズに替えた。ゴールを過ぎても息を抜かせないようにしたし、気持ちに前向きさが出たのもいい傾向だ」

 急激な上昇気配は橋本助手も感じ取っている。「先週と比較して、ジョッキーにどれくらい反応があるか確かめてもらった。先週はピリッとしなかったが、今週は感触が良かったみたい」と安どの表情。「馬体も張りが出てきた」と体調も万全だ。前走マイラーズCは最下位18着に敗れたが「3~4角でレースをやめてしまった感じ」と同助手。口を開ける動作を制御するクロス鼻革や視界を制限するチークピーシーズなど、集中力を高めるため馬具にも一工夫。関西への輸送競馬では結果を出せていないが地元の東京、中山では【2320】の安定感があり「当日輸送で競馬に臨めるのもいい」と話す。

 ディープブリランテでダービーを制した岩田は「大変なことを成し遂げたという気持ちはあるが、もう終わったこと。今は週末の競馬のことしか考えていない」。目の前の勝負に心血を注ぐ剛腕が、今週も東京のターフを熱くする。

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2012年6月1日のニュース