【有馬記念】吉田氏、自ら「楽しみ」世紀の対決

[ 2011年12月23日 06:00 ]

サンデーレーシング代表の吉田俊介氏

 有馬記念出走馬のオーナーにたっぷり語ってもらおう。吉田俊介氏(37)はブエナビスタ、オルフェーヴルなど出走馬4頭を擁する日本競馬界最強のクラブ法人サンデーレーシング代表。自ら演出したに等しい「女王VS3冠馬」の対決に心躍らせている。

 サンデーレーシングのJRA重賞13勝は、2位キャロットファーム10勝を突き放してトップ。オルフェーヴルの3冠にブエナビスタのJC、さらには記憶に新しいジョワドヴィーヴルのキャリア1戦での阪神JF制覇などG1・5勝。有馬記念には豪華4頭がスタンバイ。昨年の有馬記念、今年の宝塚記念に続き、グランプリは3回連続の4頭出しだから凄い。「活躍してくれる馬がたくさんいるのは本当にうれしいこと。しかも人気になる馬が2頭。オルフェーヴルとブエナビスタがぶつかるのは最初で最後ですから、個人的にも凄く楽しみ」

 クラブの代表取締役を務める吉田俊介氏も大一番を心待ちにする。ただし、決して現状に満足しているわけではない。それはサンデーレーシングが1頭に付き40人の“馬主”がいるクラブ法人であることが大きな理由。

 「勝負服は同じサンデーレーシングのものですが、持っている方は1頭、1頭違う。ブエナビスタやオルフェーヴルが活躍している一方で、走っていない馬もいるわけですからね」。決して現状に満足することはない。ゆえにこれだけの成功を収めても、さらに進化を続けるのだろう。

 今年の有馬記念を吉田氏はどう見ているのか。「ブエナは何年もクラブの看板馬として頑張ってくれた。一方、オルフェは負けてはいけない馬になっていますからね。応援しづらいレースです」と苦笑い。そしてブエナビスタについてこう続けた。「子供はずっとクラブの募集馬にします。初年度はハービンジャーかキングカメハメハを付ける予定。同じぐらい走る子を出してほしい」

 さらには“忘れないでくださいよ”とばかりに、他の2頭へも変わらぬ期待を口にした。「ローズはチグハグな競馬が続いているけれど、あんなに負ける馬じゃない。ルーラーシップはサンデーの血が入っていないし、母系からしても種牡馬にしないといけない馬。この馬が活躍してくれれば(同じキングマンボ系で来年から社台SSで種牡馬入りする)ワークフォースを買う必要がなかったぐらいですから」。吉田氏の一言一言から、レースを心待ちにする気持ちが伝わってくる。

 ◆吉田 俊介(よしだ・しゅんすけ)1974年(昭49)4月13日生まれの37歳。父はノーザンファーム代表の吉田勝己氏、祖父は社台グループ創始者の吉田善哉氏。サンデーレーシングの代表取締役を務める一方で、ノーザンファーム空港牧場の場長でもある。

続きを表示

2011年12月23日のニュース