【天皇賞・春】“忘れた頃に”フォゲッタブル!?

[ 2011年4月29日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・28日】「運が向いてきましたね」。フォゲッタブルの持ち乗り担当・山元譲治助手(28)は、厩舎馬房前で井上に小さな笑みを見せた。前日にメイショウベルーガが脚部不安で天皇賞を自重。次点のフォゲッタブルの繰り上がり出走が決まった。

 父ダンスインザダークで母エアグルーヴ。この良血馬は07年セレクトセール(1歳)で2億4500万円の落札だった。3歳時の菊花賞2着後、ステイヤーズS(中山3600メートル)を制し有馬記念は4着。続くダイヤモンドS(東京3400メートル)も勝ったが、その後は6連敗中。「マスコミの人はほとんど来てないです」。次点を考慮しても寂し過ぎる。同じ池江厩舎のトゥザグローリーとは注目度がまるで違う。

 山元助手は明大馬術部に在籍していた。大学の同窓・みゆきさんと結婚。牧場で7年間の修業を積み、今年1月に池江厩舎に入った。父・山元重治さんはステイゴールドなどを担当した敏腕。「この馬の絶好調時は知りませんが、前走使ってから変な力みがなくなって体調はいい」。目の前のフォゲッタブルは目を引くプロポーションだ。「乗っていても切れる脚はないけど。ワンペースでバテません」とクールな表情を引き締めた。

 魅力は距離の3200メートル。井上は「穴は忘れた頃にやって来る」「厩舎2頭使いは人気薄を狙え」と独りごちた。

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2011年4月29日のニュース