福島競馬場、無残…4月開催は中止が濃厚

[ 2011年3月13日 06:00 ]

福島競馬場の指定席の天井が崩落

東日本大震災

 1997年に完成した福島競馬場のメーンスタンドは見るも無残な状況だった。馬券を購入する投票所周辺には、上部に設置されていたモニターがいくつも散乱。ガラス張りのスタンドも破損が見られ、5階の指定席付近では天井が数メートルにわたって落下した。断続的な余震の影響で立ち入り禁止措置が続いている。

 春の福島競馬(初日は4月9日)に向けた準備の真っ最中で、イベントの内容や日程について関係各所と具体的な調整を進めていたという。「前に広がる光景を目の当たりにしてあ然とした。まだ被害の全容は見えてこないが、まさかこんな事態に陥るなんて…」。同競馬場の田辺旭総務課長は驚きと落胆が入り交じった表情を浮かべた。「場内に人が入れる状態ではないので、開催の見通しは全く立っていない。電子機器などについては通電させてみて正常に作動するかも分からない」と話した。

 福島市災害対策本部の要請を受けて、場内の調整ルームや厩舎居室などを近隣住民の避難場所として開放。11日夜は約300人の被災者が不安な夜を過ごした。独自で水が備蓄されており、飲み水を提供しているほか、トイレの使用も可能。同競馬場は「まずは地域の皆さまにできる限りのことをしていく。競馬の開催については、被災者の皆さまが日常の生活に戻ってから考えたい」と一日も早い復興を願っている。

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2011年3月13日のニュース