【有馬記念】ドリームジャーニーGP連覇へ絶好追い!

[ 2009年12月21日 06:00 ]

<有馬記念・日曜調教>調教を終え、洗い場で汚れを落とすドリームジャーニー

 09年の中央競馬もいよいよラストウイーク。ドリームレース「第54回有馬記念」へ向けフルゲート16頭がスタンバイした。2冠牝馬ブエナビスタをはじめ3歳勢が大挙7頭の出走で世代交代を狙うが、その勢いに待ったをかけるのが宝塚記念に続くグランプリ連覇を狙うドリームジャーニーだ。20日の日曜追い切りでは鍛え上げられた好馬体から軽快なフットワークを披露、究極の仕上げへ確かな一歩を踏み出した。

 馬場開門直後の午前3時半すぎ。闇の中をライトアップした坂路にドリームジャーニーが姿を現した。鞍上が軽く手綱を動かすのを合図に、スッと前脚を上げてキャンターに入る。馬の行く気に任せたままの調整だったが、脚さばきは軽く、いかにも柔らかそうな身のこなしで駆け上がってきた。はじき出した時計は4F57秒4~1F13秒0(1F=約200メートル)。騎乗した山下助手が絶賛する。
 「乗っていて気持ちよかった。動きにブレがないもんね。レースでも、あの小さな馬体であれだけの走りをするんだから」
 馬体重は420キロ前後で変わらない。これまで出走してきたどのG1でも、最も小柄だった。それでいて、宝塚記念のように中団後方から切れ味鋭い末脚で一気に差し切ってしまう。手にした重賞タイトルは06年の朝日杯FSの2歳G1から始まって6つに上る。さらにおそるべきは、池江寿師が「完成するのは6歳か7歳じゃないか」と話している点。これだけの実績をあげながら、なお成長を続けているというのだ。
 ならば、この有馬記念は昨年(4着)以上の活躍を期待していい。担当の山下助手は手応えを得ている。
 「明らかにここ2走とは状態が違う。良くなってきて、宝塚記念の時の雰囲気があるね。夏場が一番いい馬やけど、そのあたりが成長したって言うんかな。とにかく、こんな馬見たことない」
 今年で競馬の世界に入って22年目となるベテランにそう言わしめる。ブエナビスタをはじめクラシックで活躍した3歳馬が一挙に「世代交代」を目指して乗り込んでくるが、一歩も引く気はない。
 「これまで強い相手とやってきたことが何よりの自信になってるね」
 ウオッカ、ディープスカイ、ダイワスカーレット…。挙げればキリがないほどの強豪と戦ってきた自負がある。春のグランプリに続いての“2冠”で、この馬が09年を締めくくる。

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2009年12月21日のニュース