32年目の武厩舎に夢を…スリーロールス最強決戦へ

[ 2009年12月21日 17:27 ]

有馬記念に出走するスリーロールスと管理する武宏平調教師

 開業32年目の武宏平厩舎が中央競馬の今年のフィナーレを迎える土、日曜の開催を前に、大いに盛り上がっている。

 10月の菊花賞を8番人気ながら快勝し、同厩舎に平地G1初勝利をプレゼントしたスリーロールスが、いよいよ最強馬決定戦、有馬記念に挑戦。武調教師は「ことしのメンバーならチャンスは十分にある」と期待に胸を膨らませる。
 皐月賞、ダービーは不出走。華々しい春のクラシック戦線を横目に、5月から足腰強化のために障害練習を取り入れた。これが奏功して急成長。9月初めの新潟戦5着後、同月末には阪神で古馬相手に1000万クラスを圧勝した。「腰さえしっかりすれば、大きいところを狙える。だからじっくりと鍛えようと…。夏の新潟に使ってから馬ががらりと変わった」。武調教師は菊花賞前には優勝できる手応えをつかんでいたそうだ。
 菊花賞後は疲労を完全に取り除くためジャパンカップ出走を自重し、有馬記念に目標を絞って調整。おかげで万全の体勢を整えられた。2500メートルへの距離短縮、初の中山コース、長距離輸送の課題もあるが、いずれも心配はないという。
 有馬記念前日の26日にはやはり管理馬のメルシーエイタイムが2年ぶりの制覇を目指し中山大障害(JG1)に臨む。武調教師は「どちらもチャンス。いい夢を見たいね」とにんまりとした。

 ◆有馬記念 中央競馬の年末恒例のグランプリレース。ファン投票上位10頭のほか、獲得賞金などで出走馬が決まる。1956年に日本中央競馬会(JRA)の有馬頼寧理事長の提唱で「中山グランプリ」としてスタート。翌年死去した有馬理事長の功績をたたえて第2回から「有馬記念」と改称された。96年の売り上げ約875億円はJRAの1レースの最高額。

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2009年12月21日のニュース