【朝日杯FS】1着ローズキングダム

[ 2009年12月21日 06:00 ]

<朝日杯FS>エイシンアポロンとの叩き合いを制して優勝したローズキングダム

 「第61回朝日杯FS」が20日に中山競馬場で行われ、1番人気ローズキングダムが中団から鮮やかに差し切り、無傷の3連勝でG1初制覇を達成した。多くの活躍馬を出しながらG1では惜敗続きだった「バラ一族」にとっても、待望のG1勝利となり来年は堂々の主役としてクラシック獲りに挑む。また、無敗での朝日杯FS制覇は01年アドマイヤドン以来。先週の阪神JFを勝ったアパパネに続き、今年の2歳G1はキングカメハメハ産駒がタイトルを独占した。

05 暮れの中山競馬場に、ひときわ大きなバラが咲いた。ついにやった。小牧がローズキングダムの左肩を叩くと同時に、バラ一族の歴史に新たな1ページが刻まれた。「悲願という言葉がピッタリやね」。橋口師は感慨深げ。キングダム自身は無傷の3連勝でG1制覇。しかし、そこにたどり着くまでの無念の数々を思えばこの勝利は「悲願成就」以外の何ものでもない。
 3代母ローザネイから連なる、バラにちなんだ馬名を付けられた一族は、これまで重賞を計15勝。しかし、G1の勲章にはあと一歩のところで手が届かなかった。母ローズバドは01年オークス、秋華賞、エリザベス女王杯ですべて2着。しかし、母に似て小柄なキングダムが一族34回目のG1挑戦で初勝利。重賞馬すべてを管理してきた師は「思った以上に強かった。この馬がこういう強い勝ち方をしてくれるんだから。お母さんにそっくりだと思う」と、ほおを緩めた。
 公営所属時代の01年にローズバドでフィリーズレビューを勝っている小牧にとっても、うれしい1勝となった。「自分の馬が一番強いんだと自信を持って乗った」と道中は中団待機。直線はロスなく外に持ち出すと、先に先頭に立ったエイシンアポロンを外からねじ伏せた。「直線はいつでもかわせる手応えで、追い出しを待ったくらい。これだけ余裕で勝てるG1は少ない」と着差以上の快勝を強調した。04年朝日杯FSでは同じく橋口厩舎所属で1番人気のペールギュントに騎乗したが、外々を回るロスの多い騎乗で3着。その後はスランプに陥った。それだけに師は「彼は僕の何倍も期するものがあったはず。きょうは100点満点」と手放しで褒めた。
 悲願は達成された。だが、橋口師にはもう1つ、悲願がある。ダービー制覇だ。今年のリーチザクラウンなど2着3回。待望の“惜敗ストッパー”への期待は膨らむばかりだ。今後は放牧に出され、春は皐月賞トライアルからクラシックロードを進む予定。師は「大きなことは言わないよ」と照れながらも「このまま順調にいってくれれば夢を見させてくれるんじゃないか」。来年はキングダムが、その馬名通りに「バラの王国」を築く年になるかもしれない。

 ◆ローズキングダム 父キングカメハメハ 母ローズバド(母の父サンデーサイレンス)牡2歳 栗東・橋口弘次郎厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金1億383万4000円。

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2009年12月21日のニュース