【有馬記念】マツリダゴッホ力まず14秒1

[ 2009年12月21日 06:00 ]

 1年を締めるグランプリの今年の焦点は「3歳VS古馬」。注目を集めるのが今年の桜花賞&オークスの牝馬2冠ブエナビスタだ。60年スターロッチ以来、49年ぶりの3歳牝馬Vがかかる。3歳牡馬は菊花賞1、2着のスリーロールス、フォゲッタブル、ダービー2着リーチザクラウン、皐月賞馬アンライバルドと多彩な顔ぶれ。古馬陣は春秋グランプリ制覇に挑むドリームジャーニー、07年の有馬覇者マツリダゴッホと近年にない大混戦だ。

 ラストランを迎えるマツリダゴッホの有馬ウイークは静かに幕を開けた。坂路をまずキャンター。その後、実戦と同じ右回りのWコースへ。5F72秒5~1F14秒1。決して力まずに馬任せ。自然と時計になる元気の良さだ。
 スタンドで見守った国枝師は穏やかな表情で切り出した。「惰性で行っているだけで、キャンターみたいなもの。競馬にいって気のいいタイプだから、もうやる必要もなく、体の方もできている。あとは無事に最終追いを終え、レースに送り出すだけだね」
 通算10勝中、中山で8勝をマーク。9番人気で圧勝した07年有馬記念が記憶に新しい“希代の中山巧者”も、これで引退。来春からレックススタッド(北海道新びだか町)での種牡馬入りが決まっている。「行くのはリーチザクラウン、テイエムプリキュア。展開も分かっているから、中団あたりまでにいないと駄目でしょう。オーバーペースで差し馬の餌食になる可能性もあるが、今さら走りを変えるわけにいかないから」
 指揮官は、すでに腹を固めた。ゴッホ本来の先行策。ほかが行かなければ、2走前のオールカマーの“逃げ”も辞さない。完全燃焼で、相思相愛だった中山と別れを告げる。

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2009年12月21日のニュース