【JC】コンデュイット勝つと暗雲!?

[ 2009年11月25日 06:00 ]

 【藤井正弘の血統トピック】エリザベス女王杯のシャラナヤ、マイルCSのサプレザと、今年のジャパンオータムインターナショナルは、外国馬がプレレーティングに見合う存在感を示している。そして、シリーズ第3戦のジャパンCには今秋、というより過去28回の歴史の中でもトップクラスのビッグネームが参戦してきた。先のブリーダーズCターフで史上2頭目の連覇を果たしたコンデュイット。凱旋門賞馬シーザスターズの引退によって、芝2400メートル部門の“現役”トップタイとなるレーティング125を引っ提げての来日である。

 BCウイークの「血統トピック」でも取り上げたように、すでにコンデュイットは、ビッグレッドファーム代表の岡田繁幸氏に引退後の所有権を移譲されている。来シーズンからは種牡馬として日本でリスタートすることになるわけで、当然ながら血統的にも、この国の競馬環境に対する適応力は十分。特に、その母系は4代母サニーヴァリー経由でダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬アンライバルドなどを産んだ名牝バレークイーンとリンクしており、単なる“親日ライン”という以上に信頼性の高い遺伝因子がインプットされている。少々気が早いが、生産部門での成功は間違いないだろう。
 ただし、競走馬コンデュイットに関していえば、逆説的ながら、その点が唯一の不安材料でもある。別表の通り、招待馬としてジャパンC出走歴のある国内G1サイヤーは、トニービンを筆頭に7頭を数えるが、ジャパンCでの着順はパラダイスクリークの2着が最高だった。対して、ジャパンCに優勝して種牡馬入りした5頭はというと、ペイザバトラー(88年)は供用1年で早世、ゴールデンフェザント(91年)は供用8年で重賞勝ち馬2頭、ピルサドスキー(97年)はG1どころか重賞勝ち馬も出せず、供用4年で母国に返還された。3世代で重賞勝ち馬1頭のファルブラヴ(02年)も少々期待外れと言わざるを得ない。本年2歳デビューのアルカセット(05年)も産駒の出足は鈍い。どうやら種牡馬としての未来を重視するならば、負けるが勝ち?という面もあるのがジャパンCなのである。(サラブレッド血統センター)

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2009年11月25日のニュース