【天皇賞・春】絶好調宣言!勝機ありますライン!

[ 2009年4月28日 06:00 ]

<天皇賞・春>大器と期待されながら伸び悩んでいたアルナスラインだが、ついに前走で一変した

 古馬の長距離王決定戦「第139回天皇賞・春」。傑出馬不在で混戦ムードの中、日経賞で待望の重賞初制覇を飾ったアルナスラインに注目だ。07年の菊花賞2着馬で長丁場には不安なし。走りに前向きさが出てきた今ならG1制覇も夢ではない。

 馬場が閉ざされる全休日は本来なら、のんびりムード。厩舎では馬房でくつろぐ馬の姿が見受けられるが、アルナスラインは違っていた。張りつめた闘志で周囲を威嚇。平野厩務員も「体を触らせなかった。こんなにうるさい馬ではなかったのに」と驚く。
 菊花賞2着後、素質の高さは認められてきた。一方で調教ではさっぱり。昨秋の調教では併せた未勝利馬に遅れ、前向きさに欠ける印象が強かった。そこで気合を乗せる目的から日経賞ではチークピーシーズ(ほお当て、後方の視界を遮る馬具)を着用。前方への集中を促した。結果は見事な重賞初勝利。平野厩務員は「内枠だったので“包まれないように前に行ってくれ”との指示。スタートから押していったら、行きたがるぐらいだった」と振り返る。この気合乗りの差は馬具の効果というより、調整過程の違いが大きかった。「大型馬で、なかなか体が減らないので調教量は普通より多い。馬がおとなしい時は疲れがあったと思う。前走はゆっくり仕上げられたからね」と平野厩務員。
 理想の馬体重は540キロ台。その巨体に必要な調教量をこなすには、それだけ長い期間が必要となる。普段がおとなしく、レースでも不振だった時期は、詰め込まれた調教でストレス過多の状態だった。以前と違う気合乗りの良さは体力面で余裕が出てきた表れだ。折り合い重視の今回、チークピーシーズは外す予定だが、外した26日の調教も行きっぷりは抜群だった。平野厩務員も「坂路で前にいた他厩舎の馬を追いかけて、抑え切れないほど。絶好調と言っていい。今までで一番良かったと感じたのは昨年の宝塚記念。あの時よりいい」と笑顔で話す。
 宝塚記念は雨に泣いての10着。絶好馬場の京都なら違う。大器の開花を待ち続けたファンにとっては待望の絶好調宣言。今度は期待していい。

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2009年4月28日のニュース