藤井氏 スルタン“父系4代制覇”だ

[ 2009年4月28日 07:06 ]

 【藤井正弘の血統トピック】高松宮記念→ローレルゲレイロ、皐月賞→アンライバルド…この春のG1は“父子2代”がキーワードのようだが、今週の天皇賞にも“2代制覇”を狙う馬のエントリーがある。91、92年と、春の天皇賞を連覇したメジロマックイーン産駒のホクトスルタン。2代どころか、祖父メジロティターン、3代父メジロアサマから続く“父系4代天皇賞制覇”の再チャレンジである。

 血統的には鎖国状態に近いドイツや旧共産圏ならいざ知らず、血統更新のエンジンを長く輸入種牡馬に依存してきたこの国では、そもそも内国産父系が3代継続すること自体、極めて珍しい。ちなみに現役産駒のいる“内国産3代目”種牡馬は、ショウナンカンプ(父サクラバクシンオー、祖父サクラユタカオー)、ダイタクヤマト(父ダイタクヘリオス、祖父ビゼンニシキ)、メジロブライト(父メジロライアン、祖父アンバーシャダイ)くらいのもの。あまたのサンデーサイレンス後継種牡馬群にしてもダンスインザダーク~ツルマルボーイ、フジキセキ~ダイタクリーヴァのラインがようやく2代目に入ったばかりだ。
 ましてや同一重賞の「父系4代制覇」となると、例えるなら先日、父子2代の皐月賞馬となったアンライバルドが種牡馬となって皐月賞馬を出し、さらに、その子が皐月賞に勝つ…というような、気の遠くなる話である。ぜひとも達成してもらいたい。これは理屈抜きの願望だ。
 ホクトスルタンの血統に関しては、母系に配された種牡馬の実績も強調しておきたい。母の父サンデーサイレンスはディープインパクト(06年)、スズカマンボ(05年)、マンハッタンカフェ(02年)、スペシャルウィーク(99年)と、4頭の優勝馬を出したグレード制導入以降の天皇賞・春最多勝サイヤー。祖母の父リアルシャダイは父として93、95年の優勝馬ライスシャワーを出し、母の父としても04年のイングランディーレ、昨年のアドマイヤジュピタを出している。3代母の父ノーザンテーストは83年の覇者アンバーシャダイの父であり、さらに4代母の父シーホークは82年優勝のモンテプリンス、84年優勝のモンテファスト兄弟の父。実はこの馬、母系にも4代にわたって“天皇賞サイヤー”の血が重ねられているのである。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

2009年4月28日のニュース