武邦彦師 締めは豊、幸四郎騎乗で6頭出し!

[ 2009年2月27日 06:00 ]

引退を控えた武邦彦調教師は、記者の質問に笑顔でこたえる

 70歳定年を迎える武邦彦調教師(70)ら8人(関東5人、関西3人)の調教師が28日付で引退。武邦師は「第18回アーリントンC」(28日、阪神)出走のメイショウボルトなど6頭出しで有終の美を飾る構えだ。

【アーリントンC


 武豊の父であり、騎手時代に「ターフの魔術師」と呼ばれた武邦師はラストウイークを迎えても精力的だ。引退日となる28日には阪神競馬に武豊、武幸騎乗で大挙6頭出し。調教の指示を出し、その動きに目を凝らす姿勢は最後まで変わらない。管理馬が調教場から引き揚げると、静かに52年の競馬人生を振り返った。
 「騎手と調教師ともほぼ25年、終わってみればあっという間でした」。騎手デビューは57年。武田作十郎師の下でメキメキ頭角を現し、80年に関西初の1000勝(歴代5位)を達成。72年桜花賞(アチーブスター)を皮切りにダービー(ロングエース)、菊花賞(タケホープ、キタノカチドキ、インターグシケン)、有馬記念、宝塚記念(いずれもトウショウボーイ)と大レースを勝ちまくった。タケホープでハイセイコーを鼻差とらえた73年菊花賞は今も語り継がれる。「タケホープはテン乗り(初騎乗)でも府中で稽古に乗っていた。カチドキは気が悪くて苦労したね。良馬場の馬力とスピードはトウショウボーイやね」と懐かしそうに目元を緩める。85年に調教師へ転身。87年厩舎開業後は、バンブーメモリーの安田記念など調教師として374勝を記録した。
 酒豪で、麻雀、料理の腕はプロ級。引退後は競馬の評論活動などを行う予定だが、「その前に今週の競馬だ。期待馬ぞろいだから」。魔術師らしい手駒の攻勢で競馬人生を締めくくる。

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2009年2月27日のニュース