中野隆良師「やり残したことない」

[ 2009年2月27日 06:00 ]

 美浦では幾多の名馬を送り出した中野隆良師(68)が勇退する。トウショウボーイ、テンポイントと「TTG時代」を彩ったグリーングラス(76年菊花賞など)、女傑ヒシアマゾン(94年エリザベス女王杯)、通算賞金8億8812万6000円を積み上げた砂の女王ホクトベガ。28日は管理馬を出走させることなく、静かにターフに別れを告げる。

 中野隆師は「思い出の馬はたくさんいて、とても1頭に絞ることはできない。本当に運が良かった。競馬が繁栄したいい時代に、素晴らしい馬たちに巡り合えた。そして、多くの人たちに支えられた。やり残したことはないんです」としみじみと語った。
 JRA重賞40勝を含み、通算5825戦623勝。「去っていく人間が、トレセンにちょくちょく顔を出すのもどうかと思う。しばらくゆっくりするよ」。記録にも記憶にも残る名馬を育てた名伯楽は、陰ながらその繁栄を見守っている。

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2009年2月27日のニュース