井上“大舞台の男”証明V/KEIRINグランプリ

[ 2008年12月31日 06:00 ]

 井上がGP初制覇だ。「KEIRINグランプリ08」は30日、平塚競輪場で行われ、小嶋敬二の番手まくりに乗った井上昌己(29=長崎・86期)が追い込んで優勝。賞金1億円(副賞含む)を獲得して初の賞金王に輝いた。2着は平原康多で車単(7)―(1)6840円(41番人気)の決着だった。人気を集めた山崎芳仁はまくり不発の6着に敗れた。

 本領の勝負強さを見せつけた。「自分の中で最高の展開になった」。逃げた永井―小嶋の3番手からレースを運んだ井上にとって、小嶋が最終バックすぎに番手まくりを打つ絶好の展開。「仕上がりには自信があった。最終4コーナーまで脚力を温存して回れた」。井上は小嶋を抜き去り、真っ先にゴール線を駆け抜けた。「最高の気分で興奮しています」。ガッツポーズでウイニングランを終えると、声を震わせてGP初制覇の喜びを表した。
 「自分は緊張しないタイプだし大きなレースは好き」。86期の卒業記念レースを完全優勝。04年のアテネ五輪・チームスプリントでは長塚智広、伏見俊昭とともに銀メダル獲得。本業の競輪ではG1決勝戦が3回進出して2度の優勝、そしてGPが2度目の挑戦で優勝。大舞台になればなるほど力以上の結果を出す井上はプロスポーツ選手にとって最も重要な“勝負強さ”を持っているのだ。
 この優勝により初の賞金王に輝いた。1億円の使い道には?の質問には「まだ現物を見てないので(笑い)実感はない。最高の気持ちで1年を締めくくれたし、これからゆっくり考えます」
 グランプリ優勝の喜びとともに「G1を勝ってグランプリの舞台に戻れるように慢心することなく頑張ります」と来年の目標を掲げた。グランプリユニホーム“1番車”の井上が来年のビッグ戦線でも主力の一翼を担うのは明らかだ。

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2008年12月31日のニュース