遅咲き血統ブラーボでブラボー!/中山金杯

[ 2008年12月31日 06:00 ]

 09年最初に行われる中央競馬の重賞・中山金杯(1月4日)で飛躍を誓っているのが、年明けに5歳を迎えるオペラブラーボだ。成長力の遅い血統で今が充実期。重賞初制覇、そしてG1へ、万全の仕上げで挑む。

【中山金杯
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 初タイトルは目前だ。前走・中日新聞杯(G3)がデビュー14戦目にして重賞初挑戦だったオペラブラーボだが、3連勝の勢いを買われ1番人気に支持された。レースは小回り中京コース独特の馬群が密集する展開。何度も行き場を失い外に持ち出すのに手間取った。脚を余し、先に抜け出したヤマニンキングリーをとらえきれず4着。だが、直線では3F33秒8の末脚を繰り出し0秒1差まで迫った。「競馬にならなかった」と振り返る久保田師。「展開のあやだから仕方ないが、それでも負けてはいけないレースだった」と唇をかむ。
 前走後も厩舎で調整され元気いっぱい。不完全燃焼のレースでダメージも少なかった。3歳時は条件戦でもたもたしていたが、4歳となった今夏の新潟から1000万→1600万→オープン特別と一気に3階級制覇。前走で重賞でも戦えるメドがついた。「安定して走れるようになったのが一番大きい。この血統は3歳夏を越して良くなり、古馬になってしっかりする」と久保田師。ダート重賞3勝の半兄ワイルドワンダーも初制覇は5歳時のアンタレスS。兄も管理する師は「能力があるので早いうちに勝ってしまうが体質が弱い。オペラも年齢を重ねてようやく体と精神面と能力のバランスが整ってきた」と好走の理由を分析する。
 西高東低が叫ばれて久しいが、今秋は小島茂師が秋華賞(ブラックエンブレム)、鹿戸雄師がジャパンC(スクリーンヒーロー)を制するなど関東の若手調教師の躍進も目立った1年。来年42歳となる久保田師も次世代の美浦を背負って立つ1人だ。「いい雰囲気だし、もちろんいい勝負ができると期待している」と完成の域に入ったブラーボで挑む09年の開幕戦。飛躍の年へ先制パンチを決めたい。

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2008年12月31日のニュース