藤井王将 2日目夕食タイムで勝負手準備 7冠懸け4・5から名人戦 持ち時間減らない30分間有効活用

[ 2023年3月25日 05:05 ]

子供たちから花束を受け取り、笑顔を見せる藤井王将
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負で羽生善治九段(52)を4勝2敗で下し、初防衛を果たした藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖含む6冠=が24日、第7局の予定地・栃木県大田原市で開催された祝勝会に参加した。

 昨年1月の第3局以来となる大田原市来訪。19日には棋王位も奪取し、今年度の公式戦をすでに終えている藤井は「少し一息つきました」と笑顔を見せた。今7番勝負については「第5局の終盤で苦しくしてしまった。あれが正念場。その対局を勝てたのが大きかったと思います」と回顧した。

 2月からのダブルタイトル戦こそいい形で終えたが、4月5日からは渡辺明名人(38)に挑む名人戦が始まる。すでに準備を進める中で、肝となるのは第2日の夕食休憩(午後5時から30分間)だ。対局も佳境に入る時間帯に食事を取るのが名人戦の特徴で、初体験となる藤井は「昨年の渡辺名人はおそばを注文していましたね」とさりげなく指摘。これまで2日制対局の午後はおやつタイムに固形物は辞退し、ドリンクだけで済ませてきたが今回は様相が異なる。「夕休は時間計測が止まる。自分もそこでどうするか(渡辺名人の前例に倣うかどうか)を考えています」と、終盤戦の最中にがっつりと栄養補給する考えを示した。史上最年少名人への準備に手抜かりはない。

 同市内のピアートホールで行われた祝勝会には約400人のファンが集結。藤井は「今日の対局はなくなってしまいましたが、このように温かく迎えていただき、とてもうれしく思います」とあいさつした。第7局で正立会人を務める予定だった青野照市九段(70)とのミニトークショーも軽やかにこなし、万雷の拍手を浴びていた。

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