TBS「ビビット」ホームレス報道で謝罪 不適切な表現や取材方法

[ 2017年3月3日 09:50 ]

TBS社屋
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 TBS「白熱ライブ ビビット」(月〜金曜前8・00)は3日、1月31日に取り上げたホームレス問題について、放送内容と制作過程をあらためて検証した結果、取材した男性を傷つける表現や取材手法に不適切な点があったと、この日の放送と番組公式サイトで謝罪した。

 「ホームレスへの偏見を助長する」などと批判が集まり、取材を受けたホームレス男性が「怒鳴る場面を頼まれた」などとヤラセを指摘する報道もあった。

 この日の番組終盤、吉田明世アナウンサー(28)が「番組から視聴者の皆さまにお伝えすべきことがあります」と切り出し「わたくしたちの番組では1月31日に多摩川で生活しているホームレス問題を取り上げました。この放送について、ホームレスの方々に対する差別や偏見を招くものであったという助長する、厳しいご指摘を頂きました。放送内容と制作過程をあらためて検証し、取材した男性を傷つける表現や取材手法に、不適切な点があったと考えます。このような放送をしたことについて、視聴者の方々、関係者の方々、そして何より取材を受けていただいた方々に、深くおわび申し上げます。頂いたご指摘をしっかりと受け止めて、こうしたことが再び起きないように努めて参ります」と謝罪し、頭を下げた。

 番組公式サイトで、当該放送は「多摩川の河川敷で暮らす男性が、法定の予防接種を受けさせずに犬を多頭飼育していることについての問題点を伝えると同時に、そうした暮らしをせざるを得なくなっている男性の境遇や心情にも迫ろうとしたものでした」と説明している。

 番組公式サイトに掲載された見解は以下の通り。

 (1)不適切な表現について

 多摩川河川敷で犬の多頭飼育をしているホームレスAさんについて、「犬男爵」と呼んだり、別の男性Bさんのインタビューでの発言を引用して、イラストとともに「人間の皮を被った化け物」と呼んだりするなど、不適切な表現がありました。

 また、多摩川のホームレス問題を扱った一連の企画の「多摩川リバーサイドヒルズ族」というタイトルも、不適切であったと考えています。

 (2)不適切な取材手法について

 上記Bさんへのカメラインタビューは、ご本人の承諾を得ずに撮影されたものでした。

 (3)取材ディレクターと出会った場面で、Aさんが怒鳴ったことについて

 取材ディレクターがAさんに初めて会ったのは撮影日の前日で、この際に取材の承諾を得ていました。

 当日、取材ディレクターは、出会いの場面を撮影するにあたって、Aさんに対し「『お前らここで何やっているんだ』と言いながら歩いてきてほしい」と伝えました。

 この出会いの場面は、Aさんを「すぐに怒鳴り散らす粗暴な人物」と印象付ける結果となり、不適切な手法でした。

 このような放送をしたことについて、視聴者の方々、関係者の方々、そして何より取材を受けていただいた方々に、深くおわび申し上げます。頂いたご指摘をしっかりと受け止めて、こうしたことが再び起きないように努めて参ります。

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2017年3月3日のニュース