役所主演で48年ぶり「日本のいちばん長い日」2度目の映画化

[ 2014年12月9日 05:55 ]

映画「日本のいちばん長い日」に主演する役所広司

 太平洋戦争終戦日の混乱を描く半藤一利氏のノンフィクション「日本のいちばん長い日」の2度目の映画化が決まった。

 「わが母の記」などで知られる原田眞人監督がメガホンを取り役所広司(58)が主演。ほかに本木雅弘(48)、松坂桃李(26)、堤真一(50)、山崎努(78)が出演する。映画化は48年ぶり。戦後70年を迎える来年8月の公開を予定している。

 戦争終結を国民に発表した1945年8月15日の玉音放送に至る緊迫の24時間を再現した作品。67年に東宝が創立35周年を記念して製作した映画では岡本喜八監督がメガホンを取り、三船敏郎さん、笠智衆さんらが出演した。

 今回の映画化を手掛けるのは松竹。「日本の…」に加えて、昭和天皇とともに終戦に導いた鈴木貫太郎首相の姿を描く半藤氏の著書「聖断」の内容も盛り込んだ新作と位置づけている。

 今回は鈴木内閣が発足した45年4月から終戦までの4カ月間の物語。戦争完遂を訴える陸軍のトップとして苦悩する阿南惟幾(あなみ・これちか)陸軍相(役所)や、国民を案じる昭和天皇(本木)、鈴木首相(山崎)らの葛藤を中心に、徹底抗戦を主張する陸軍若手将校らの皇居占拠などが描かれる。

 今月6日に撮影終了。役所は原田監督と「わが母…」以来、2年ぶりのタッグを組んだ。「各個人それぞれの家族、そして天皇を中心とした日本という家族、その家族というテーマに重きを置いて描かれていることが、最大の魅力」と作品を紹介。原田監督も「幾重にも交錯する家族の、存亡をかけた4カ月のドラマです」としている。

 ▽日本のいちばん長い日 鈴木内閣は45年7月、連合国から無条件降伏勧告のポツダム宣言を突きつけられる。連日連夜、閣議が開かれるが、結論は出ない。そして原爆投下、ソ連参戦を招いてしまい、御前会議で降伏を決める。一方、終戦に反対する陸軍若手将校らはクーデターを計画。玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局への占拠へと動き始める。東宝版が公開された67年は日本が高度経済成長期の真っただ中。7月には人口が初めて1億人を突破。グループ・サウンズ(GS)が大流行した。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月9日のニュース