「生まれてしまった」作品…「火の魚」全国放送へ

[ 2010年2月16日 18:16 ]

ドラマ「火の魚」の記者会見に出席した主演の原田芳雄(左)と尾野真千子

 昨年、文化庁芸術祭賞大賞を受賞したNHK広島放送局制作のドラマ「火の魚」が、3月13日午後9時から全国放送されるのを前に、主演の原田芳雄と尾野真千子らが東京・渋谷のNHK放送センターで記者会見した。

 瀬戸内の島に独りで暮らす偏屈な老作家・村田(原田)と、東京から原稿を受け取りに訪れ、一歩も引かぬやりとりをする編集者・折見(尾野)。村田は次第に折見にひかれ、動揺する。原作は室生犀星の同名小説。
 俳優とスタッフが島の民宿に約2週間合宿し、常に議論しながら撮ったドラマは、無駄なせりふを省き、余白が多いが、濃密で切ない53分間だ。
 原田は「映画と非常に似て『作る』というより『生まれてしまった』という不思議な感覚。尾野さん(の演技)にリアクションをしていくうちにああいうものが生まれた」と作品をいとおしそうに語り、尾野は役と同じ丁寧な言葉遣いで「めっそうもございません。原田さんのお芝居を見て演じました」と返した。

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2010年2月16日のニュース