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アリ氏に新たな栄誉 50年前の年間最優秀選手に選出「今日の基準で評価」

[ 2016年12月9日 15:44 ]

 偉大なボクサーに新たな栄誉が加わった。米国のボクシング誌「リング」は8日、1966年の年間最優秀選手賞に故ムハマド・アリ氏を選出した。6月に他界したアリ氏はこれで6度目の受賞となる(1963年、66年、72年、74年、75年、78年)。

 66年のアリ氏はクリーブランド・ウィリアムズを3回TKOで下すなど5戦全勝4KOとキャリアの絶頂期を迎えていた。しかし、翌年の67年から3年7カ月のブランクを作ってしまう。ベトナム戦争への徴兵を拒否したため、有罪判決を言い渡されたヘビー級王者はボクサーライセンスをはく奪されたのだ。

 半世紀の時を経ての受賞となったのはこの件と関係がある。当時のリング誌はアリ氏が年間最優秀選手賞に相応しいと考えていたが、その時代に配慮して授与の見送りを決定(該当者なし)。その理由を同誌は仕方なく「年間最優秀選手賞を贈られるボクサーは素晴らしい選手であるだけでなく、善良な市民であるべき」としていた。

 現在のリング誌編集長は今回の決定に際して次のようなコメントを寄せている。「66年当時のものではなく、今日の基準でアリ氏を評価した。ベトナム戦争とは関係ない。これはボクシングの賞だ。あの年はアリ氏が最高のボクサーだった。それを称るべきだろう」。

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2016年12月9日のニュース