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【浜田剛史の目】急所を確実に狙っていった山中 モレノと完全決着

[ 2016年9月17日 09:00 ]

<山中・モレノ>リング誌のチャンピオンベルトを腰にご機嫌の山中

WBC世界バンタム級タイトルマッチ ○王者・山中慎介 7回KO 同級1位アンセルモ・モレノ●

(9月16日 エディオンアリーナ大阪)
 山中とモレノは紙一重の実力で、何が起きてもおかしくなかった。ダウンを奪い合い、一瞬で試合が決まる状況が続いたが、6回に山中の左によるダウンが効いた。起き上がってからの長い時間をモレノは必死に耐えたが、次のインターバルの1分であのダメージを回復させるのは難しかった。7回、勝負度胸を見せた山中はモレノの一発を注意しつつ、打ち込みにいって勝負を決めた。

 前回は2―1の判定勝利で、相手側からすれば「勝っていた」という話もあったほど。山中にとっては想像以上にパンチが当たらなかった。的を絞らず体のどこかに当たればいいと思いながらの戦いだったが、それが当たらなかった。

 今回は“どこでもいい”ではなく、ボディーや顎という急所を確実に狙っていって決着をつけた。世界的にも防御に定評があるモレノを倒したのは海外でも評価される。KO負けしたことないモレノを完全に倒し切ったのは大きい。ダウンもしたが、このレベルの勝負をすれば危険はつきものだ。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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