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“現実主義者”西田凌佑 イメトレは「ネガティブなこと多い」 5・4大阪で世界初挑戦

[ 2024年4月27日 15:56 ]

武市トレーナー(左)が持つミットに力強く打ち込む西田凌佑
Photo By スポニチ

 プロボクシングIBF世界バンタム級タイトルマッチ(5月4日、エディオンアリーナ大阪)で世界初挑戦する同級1位の西田凌佑(27=六島)が27日、大阪市住吉区の所属ジムで練習を公開した。王者エマヌエル・ロドリゲス(31=プエルトリコ)陣営のトレーナーが視察に訪れ、シャドーボクシングや軽いミット打ちで済ませた。

 計200ラウンドに及んだスパーリングを既に打ち上げている。「調子はいい。あとは体重調整だけ。万全のコンディションに仕上げたい」と表情を引き締めた。王者について一貫して敬意を示し続ける。この日も「スピードもパワーもテクニックも自分を上回る強い選手。ロドリゲス選手が得意のカウンターに気をつけ、自分の強みである距離感やジャブでペースをつかみたい」と謙虚に語った。

 コンビを込む武市トレーナーは西田の落ち着いた、自分を飾らない姿勢を長所と捉えている。「あんまり何も考えてないのが強み」と、ざっくりした表現から始めた解説は次のようなものだ。「気負いがなく、ネガティブでもない。(試合で)自分が出せるものを出せたら、あとは知らん、という感じ。“自分が強い”と思っていないことは事実。でも怖じ気づくわけではないし、逆におごることもない。凄く現実的。世界戦という舞台で、世界的にも評価が高いチャンピオンと戦うのに気負うわけじゃない。いつも通りです。(自分が練習してきたことが)通用すれば勝つし、通用しなければ負ける。それだけ」。地に足をつけて晴れ舞台に臨める。挑戦者としては理想的な心理状態かもしれない。

 西田はプロ3戦目で、世界挑戦経験を持つ大森将平(ウォズ)を4~6点差の判定3―0で破る番狂わせを起こした。「“勝てない”と周りから言われていた。でも(試合を)やるのは自分だしなと思った。あの試合で成長できたかもしれない」。試合を控えたイメージトレーニングではさまざまな場面を想定。「勝てると言われる試合の前でも、倒された時をイメージして練習をやっている。ネガティブなことが多い」。備えあれば憂(うれ)いなし、というところか。「練習でやったことしか試合では出ないので。気持ちだけでは勝てない。技術が必要」。武市トレーナーが指摘するように、現実主義者らしいスタンスで着々と準備を進めている。

 王者陣営のトレーナー、ジェイコブ・ナジャ氏は「西田は長身サウスポーで、前の手(ジャブを出す右)がうまい。いいボクサーだ。いい試合になると思う。若いし、才能を感じる。彼にとって自分の国、日本で戦えるのは有利だろう」と印象を語った。

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