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“キンシャサの奇跡”を現地で取材、前田衷氏「衰えても神がかり的だった」

[ 2016年6月5日 09:37 ]

ジョージ・フォアマン氏(右)とのボクシング世界ヘビー級タイトルマッチで、パンチを浴びせる挑戦者のムハマド・アリ氏

ムハマド・アリ氏が死去

 74年10月30日、アリがフォアマンを8回KOした「キンシャサの奇跡」を現地で取材した日本人は元スポニチ記者の故後藤秀夫氏を含めてわずか4人。「唯一の生き残りです」と言うのが専門誌ボクシング・ビート元編集長の前田衷氏(67)だ。当時はボクシング・マガジン誌の記者で「アリが初めてKO負けすると思い、見届けないといけないと思った」自身初の海外取材で、世紀の番狂わせを目撃したという。

 試合は米国時間に会わせて深夜から早朝にかけての開催。しかし、現地でのアリ人気はすさまじく「観客も味方に引き込んで雰囲気をつくっていった」という。試合後に屋外会場がスコールに見舞われたこともあり、「勝利も含めて神懸かり的だった」と前田氏。ただし「当時のアリは全盛期を過ぎて、スピードがなくなっていたので(たるんだロープを背にパンチをかわす)あの戦い方しかできなかった。やはり徴兵拒否によるブランクが残念」と話した。

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2016年6月5日のニュース