松田宣浩氏の「熱男塾」公開 「まずは1年間、出続けること」体づくりの大切さを説く

[ 2024年1月11日 06:00 ]

宮崎市内で合同自主トレ「熱男塾」に参加したメンバー、(前列左から)ソフトバンク嶺井、巨人・岡田、松田宣浩氏、DeNA宮崎、同・佐野、ソフトバンク野村大(後列左から2人目より)ソフトバンク育成の緒方、ヤクルト増田、DeNA知野(2人置いて)ソフトバンク野村勇、オリックス頓宮(1人置いて)ソフトバンク牧原大
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 タイトル、記録奪取へ、とにかく試合に出続けろ――。ソフトバンク、巨人でプレーし昨季限りで現役引退した松田宣浩氏(40=本紙評論家)が10日、宮崎市佐土原町での合同自主トレ「熱男塾」を公開。現役時代に5年連続を含む7度の全試合出場経験を持つ塾長は、年間試合数「143」を刻むために重要視する下半身強化メニューを徹底して課した。

 朝のジョギングに始まり、柵越え数を競った午後の打撃練習後。競争に敗れた選手が、超低姿勢でのすり足で塁間までを駆ける罰ゲームで公開された屋外練習はフィニッシュした。24年の「熱男塾」も徹底的に腹部から胴回り、太腿につながる筋肉、その下のふくらはぎ。下半身を徹底的にきつくいじめ抜いた。

 「1年間を戦うため、オフのこの時期には持久力を付けつつ体力を付ける。開幕すれば試合では下半身の瞬発力を使う。試合後に疲労回復をする。その繰り返しですが、その際にオフに鍛えた下半身の貯蓄が生きてくる」

 塾長の考えは現役時代に自主トレに同行させてもらったホークスの偉大なスラッガー秋山幸二、松中信彦両氏の教えが根源にある。松田氏は昨季限りで現役引退も、下半身強化の重要性に共感する顔なじみの弟子が今年も自然と集結。熱血漢の師匠はアドバイザー役にはとどまらなかった。口も手も足も出し続けた。選手にハッパをかけつつ、フルメニューをこなした。80メートルダッシュ10本、階段ダッシュ10本に苦悶(くもん)の表情を浮かべる脇で松田氏は、ふと願いを明かした。

 「タイトルは限られてきますけど、143試合(出場)は、みんなにチャンスがある。そこに、こだわらせたいですよね」。塾生からは3人の首位打者が育っている。DeNA佐野は20年。昨季は宮崎が17年以来2度目、亜大の後輩でもあるオリックス頓宮は初めて獲得した。ただ昨季の全試合出場者はいない。「まずは1年間、出続けることから。そうすれば結果やタイトル、記録、いい思い出に成績、すべて付いてくる。出られない時期があると、結果も付いてこないから」

 このオフ期間の走り込みで、リーグ全試合数「143」につなげるエネルギー源を蓄えていてほしい。そんな思いだ。松田氏は40歳まで現役生活を続け、実働18年で5年連続を含む7度も全試合出場を果たした。明るいキャラクターが浸透している「熱男」だが、その体はケガ、病気知らずの「鉄人」。走って、休まずに出続けてこそ輝ける。それが弟子に伝えたい思いの芯だった。 (井上 満夫)

 《亜大の後輩、嶺井はキャリアハイ目指す》ソフトバンク・嶺井が、自慢のハスキーボイスで33歳シーズンでのキャリアハイ達成を目標に叫んだ。亜大の先輩でもある松田氏の「熱男塾」に今年も参加。「バウさーん」といじられつつも、フルメニューをこなした。FA加入1年目の昨季は、44試合で2本塁打含む7安打、6打点。打率.206の内容だった。キャリアハイの出場数はDeNA在籍最終の22年の93試合。「まずは試合数もそうですけど、すべてで上回ることができるようにですね。松田さんに鍛え上げてもらっています」。疲れ果て、声はさらにかすれていた。

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