松坂大輔氏 来年は登板?「僕もいいピッチャーだったんだよっていうのを思い出してもらえるように」

[ 2023年11月21日 21:08 ]

エキシビションマッチ   イチロー選抜KOBE CHIBEN4―0高校野球女子選抜 ( 2023年11月21日    東京D )

<イチロー選抜・高校野球女子選抜>試合を笑顔で振り返る(左から)イチロー氏、谷川、松崎、堂前、松坂氏(撮影・沢田 明徳)
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 日米通算170勝を挙げた“平成の怪物”松坂大輔氏(43=スポニチ本紙評論家)が21日、投手への“復帰”について言及した。

 「高校野球女子選抜」とマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(50)率いる草野球チーム「イチロー選抜KOBE CHIBEN」が対戦するエキシビションマッチで「4番・遊撃」に入ってフル出場し、4打数1安打でチームの勝利に貢献した。

 試合後は完封勝利を飾ったイチロー氏とともにお立ち台へ。まずは感想を聞かれて「今年は…そうですね。目立ったミスをすることなく、あの…。イチローさんに怒られることもなく。無事に試合を終えてホッとしてます」と真っ黒に日焼けした顔にすがすがしい笑みを浮かべた。

 初回の第1打席で中前打を放ったが「あれも詰まらされていたので、はい。ヒットになってうれしかったんですけど、きょうはとにかくいいところに投げられて。本当に、あとの打席は手が出なかったですね」と高校野球女子選抜チームの投手陣に笑顔で脱帽した。

 だが、ここでイチロー氏が「大輔さ…」とカットイン。驚いた松坂氏がイチロー氏のいる方向に視線をやると、イチロー氏は「松坂投手…って可能性ないの?」と突然のド直球を投げ込んだ。

 これに「いやいやいや。いやいやいや…いや」と思わず苦笑いとなった松坂氏だったが、スタンドからは大歓声。「“マウンドおりるつもりない”って言ってたから…。あの…。結構安心してたんですけど」とこれまで全3試合で完投しているイチローさんの直前の言葉を引用してやんわり返したが、イチロー氏は「去年のこの試合のあと、松坂選手。“将来ピッチャーとしてもう一度復帰したいという思いが生まれた”って言ってたんですよ」と詰め寄った。

 これに松坂氏も「はい…。言いました…」とさらに苦笑い。それでも「言いましたし、先日もイチローさんと一緒に練習させてもらったんですけど、もう50歳のピッチングには見えなかったですし、その投げてる姿に刺激を受けて。また投げたいなと思いましたし。きょう、いいピッチャーたちと対戦して、僕もいいピッチャーだったんだよっていうのを思い出してもらえるように…。いつか投げてる姿をもう一度見せられたらと思います」と言い切った。

 この宣言を「あはははは…」とうれしそうに笑い声を立てて聞いていたイチロー氏だったが、「その時は僕はショートに回って。もしそれが来年だったら、51歳になってるし、51番付けてやろっかな。その時はね、大輔がもしピッチャーで復帰してくれるっていうんなら、51番付けて僕はショートを守りますよ」と楽しそうに“予告”。

 こうなると、もう引き下がることもできなくなった?松坂氏は「あの…。宣言したからには。その言葉に責任をもって準備したいと思います」とキッパリ。この宣言を引き出したイチロー氏は「やった!」と子供のように喜んだ。

 そのイチロー氏は走塁中に足を痛めながらも完投、完封した。その姿に「やっぱりぐっときましたね」という松坂氏は「本当にキツそうだったので、これ、もしかしたら投げろって言われるかもしれないなってちょっと思ったんですけど。結局、最後まで投げ切ったので。その後ろ姿はもの凄く頼もしかったです」。不屈の精神でいまなおストイックに己を鍛え続ける先輩に大いに刺激を受けたようだった。

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