チームの雰囲気、良き理解者との出会い…強い輝きを放つロッテ・ポランコ

[ 2023年9月6日 13:10 ]

ロッテ・ポランコ
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 ロッテ・ポランコの勢いが止まらない。8月は102打数30安打で打率・294、8本塁打、19打点。9月に入っても好調を維持し、1~3日の楽天戦では3試合連続アーチを放ち、楽天・浅村と並ぶ23本塁打でリーグトップに立った。本塁打王を獲得すれば、ロッテの選手では1986年の落合博満以来という快挙だが、本人は個人タイトルよりもチームの勝利に貢献することを最重視。長打力が求められていることは理解しつつ、「もっと打点を稼いでチームに貢献したい」と話している。

 昨季、巨人で138試合に出場し、打率・240、24本塁打をマークしたポランコだが、ロッテ移籍1年目の今季、開幕当初は不振にあえいでいた。4月の月間打率は・140。5月になっても調子は上がらず、ようやく打率が2割台に乗ったのは6月6日のことだった。不振が長引く中でも吉井監督は辛抱強くポランコを使い続けた。長打力に魅力を感じていること、そして常に全力、献身的にプレーする姿勢を高く評価しているからだ。指揮官から「いつも一生懸命やってくれているし、しっかり準備をしてくれている」という言葉を何度か聞いた。

 なかやまきんに君の「パワー!」ポーズが代名詞になっているポランコの最大の武器はそのパワーだが、打撃練習を見ていると、意外なほど柵越えは少ない。初球はバント。そして逆方向へ、低い弾道の打球を放つ。心がけているのは「強くコンタクトすること」だ。好調の理由を本人に尋ねると、「何よりも毎日試合に出ていることが大事だと思っている。アジャストもできるし、毎日試合に出れば、毎打席、毎打席が経験になる。試合に出ているということが打てている一番の要因だと思う」という答えが返ってきた。元メジャーリーガーという肩書きや実績におごることなく、日本の投手に対応すべく、日々練習を重ね、試合の中で微修正を繰り返しながら現在の好結果に結びつけている。

 性格的にもロッテというチームの雰囲気にマッチしたのだろう。そして吉井監督という良き理解者との出会いがあったからこそ、強い輝きを放つことができているのはないだろうか。(ロッテ担当・大内 辰祐)

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