日本ハム 打線強化に台湾出身の育成・王柏融を支配下選手登録

[ 2023年7月31日 06:00 ]

日本ハム・王柏融
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 日本ハムは30日、台湾出身の育成・王柏融(ワン・ボーロン)外野手(29)を支配下選手登録すると発表した。背番号は99に決まった。17年には、台湾プロ野球で台湾人選手としては史上初の3冠王を獲得した大砲が支配下に復帰。長打のある左打者が不足しているチーム状況の中で、最下位から巻き返しへの一手を打った。

 補強期限まであと1日だった。王柏融の支配下復帰は、爆発力を欠く打線を強化する狙いがある。1軍の主力では長打力がある左打者は清宮だけの状況で、台湾の「大王」の逆襲がチーム浮上の鍵となりそうだ。稲葉篤紀GMも「安打は出てますし、今年は例年に比べて状態は良くなってきている」と期待を寄せる。

 王柏融は台湾球界の3冠王として鳴り物入りで19年に日本ハムに入団。21年は出場95試合で自己最多の9本塁打、48打点をマークしたが、昨季は打率・063で自身初の本塁打、打点はなしに終わった。育成契約を結んで再出発した来日5年目の今季。春季キャンプでは順調に調整を重ね、3月のWBCに台湾代表として出場。開幕当初はコンディション不良があったものの、2軍戦でここまで6本塁打を放つなど、持ち味の長打力は健在だ。

 チームは25日まで続いた13連敗中の平均得点は2・1得点と苦しみ、この日のオリックス戦も2得点で2連敗。チーム打率もリーグワーストの・230となっており、打線の強化は急務だ。稲葉GMは「ある程度1軍の経験も彼はありますしね」と説明。1軍での過去4年間では期待通りの成績は残せておらず「柏融(ボーロン)にとっても、勝負の年というところもある」と重ねた。

 外国人打者は、昨季中日から加入したマルティネスが11試合連続でクリーンアップを務め、12本塁打37打点と活躍しているものの、来日2年目のアルカンタラは打率・208、3本塁打9打点。今季途中に加入したハンソンも打率・152、4本塁打9打点と日本野球への対応に苦しむ。1軍合流については未定だが、4年の経験がある王柏融が打線に加われば、他の外国人選手への刺激にもなる。

 昨春のキャンプ期間中のロッテとの練習試合では、新庄監督発案のガラポン抽選器で打順を決め、4番を引き当てた“ツキ”も持っている。最下位脱出へ、浮上のキーマンとなる。(田中 健人)

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