【対談】田淵幸一氏が「優勝してたら俺の人生変わったかも」と落合博満氏に語った試合

[ 2023年4月18日 17:15 ]

対談を行った落合博満氏(左)と田淵幸一氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(69)が18日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。YouTube開設1年がたち、新企画として対談企画「博満の部屋」をスタートした。その記念すべき第1回目は強打の捕手として鳴らした田淵幸一氏(76)を招いて対談が行われた。

 7歳違いという2人の対談。今回の動画で4本目の更新となったが、20数年ぶりの再会とは思えないほど、打撃理論から始まり、本音をぶつけあう対談となった。プロ野球通算510本塁打の落合氏と、同474本塁打の田淵氏は、人生の転機となった試合について語り合った。

 田淵氏は「いまだに悔しくてしょうがないんだよ」と話したのは、阪神時代の1973年の優勝争いだった。落合氏もまだプロ入りはしていなかったが「新幹線がナゴヤ球場の前(通過するときに)“ジャイアンツの選手が乗ってます”って言ったあれね」とすぐにわかるほど、当時大きな話題となった。同年10月20日、引き分けでも優勝という中日戦に2―4で敗れた。その試合中には、甲子園での最終戦に備えて大阪移動する巨人ナインを乗せた新幹線が中日球場の近くを通過。車窓から見えるスコアボードで阪神が負けているのを知り、車中で大盛り上がりしたのは有名な話だ。翌日の巨人との最終戦は雨で流れ、22日の甲子園。ここでも勝てば優勝だったが、0―9の大敗を喫した。試合直後、巨人の逆転での優勝に怒った阪神ファンがグラウンドになだれ込み、巨人・王貞治氏が下駄で頭を殴られる事件まで発生した。

 巨人のV9を阻止できる大きなチャンスを逃した。田淵氏は「あれで優勝してたら、俺の人生変わったかもしれない」と語り、試合後の大騒動について「ファンが入り乱れて、王(貞治)さんは殴られるわな、2000万のカメラは壊されるわな、ひどかったよ、あん時。俺、1週間も出られなかったもん、(敗戦に)頭きて、ショックで」と語った。

 落合氏が「あの試合と次の試合の先発ピッチャー、間違えたんじゃないかっていうようなことはよく言われるけどね」と語った。中日戦には24勝を挙げ絶対的エースだった江夏豊氏、巨人戦には、同22勝の上田二朗氏が先発した。田淵氏は「その年、上田二朗が(中日戦に)8勝してたのよ」と中日キラーだったことを指摘し「俺は江夏は優勝投手、最後の抑えで優勝投手になると予想したら、中日戦先発は江夏。よく分からない。ミステリー」と語った。「野球の人生で、何の人生でも、1つの転機でさ、変わるよな」と話していた。

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