広島・床田 269日ぶり勝利 右足首の骨折乗り越えてG斬り 7回1/3を3失点でチームも3連勝!

[ 2023年4月9日 06:30 ]

セ・リーグ   広島6―3巨人 ( 2023年4月8日    マツダ )

<広・巨>今季初勝利を挙げた広島・床田(撮影・平嶋 理子)
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 269日ぶりの復活勝利だ。広島は8日、巨人に6―3で快勝。昨夏に右足首を骨折した床田寛樹投手(28)が7回1/3を9安打3失点と好投し、昨年7月13日のDeNA戦以来となる美酒に酔った。打線もマット・デビッドソン内野手(32)がバックスクリーンへ3号先制弾を運ぶなど左腕を効果的に援護。チームは開幕4連敗後に3連勝と勢いづいてきた。 

 本拠地に詰めかけた今季最多3万633人の大観衆。デビッドソン、戸根と並んだお立ち台で耳にした歓声が胸に響く。昨年8月3日のDeNA戦で負った右足関節骨折から鮮やかな復活勝利を挙げた床田は、柔和な表情で声をはずませた。

 「ケガをしっかり治し、早く1軍で投げたいと思っていた。本拠地で勝つことができて凄くうれしいです」

 好テンポでスコアボードにゼロを刻んだ。「あまり調子はよくなかった」と言いながら要所は締める。2本の安打を許した6回1死一、三塁では中田を内角直球で詰まらせ、注文通りの1―4―3併殺。完封が見え始めた7回、先頭坂本に被弾するなどした終盤の投球を課題に挙げた。

 「(ストライクを)取りにいった、坂本さんの1球はもったいない。イニングを重ねるごとに疲れが出たと思う。接戦でああいう投球は絶対にダメ」

 開幕直前の矯正が好発進につながった。防御率8・10に終わったオープン戦。3回5失点だった3月25日のソフトバンク戦後、菊地原投手コーチが持参した好調時と不調時の映像を見比べ、体を大きく使って投げるように改めた。右足の使い方にも気付きがあった。

 「着地の仕方が違った。無意識にかばっていたのかな…と」。右足を踏み出した際にかかとから着地していた好調時。それが骨折した足首をかばおうとしてか、かかとから指の付け根まで足全体で地面を踏んでいた。無意識の所作。矯正するため、早めに右足に力を入れるトレーニングに励んだという。

 成果は、開幕後の投球が証明する。前回4月1日のヤクルト戦は6回を2安打零封。この日は無四球で試合をつくった。新井監督は「ナイスピッチングだったね。前回のヤクルト戦もそうだったし、今日は勝ちが付いて彼自身もホッとしていると思う」と称えた。

 患部は徐々に良化しつつある。長距離走はまだでも50メートルのインターバル走は既に消化。前半戦までに自己最多の8勝挙げた昨季以上の活躍を期す7年目、床田は冷静に自身の足もとを見つめる。

 「僕の場合は夏場以降。そこをどう乗り越えるかだと思う」

 今季こそ初の2桁勝利へ。復活した左腕は言葉に力を込めた。(江尾 卓也)

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2023年4月9日のニュース