能見篤史氏 阪神の強みは7回以降の勝利の方程式 臨機応変な継投を可能にする布陣

[ 2023年4月6日 07:20 ]

室内練習に姿を見せ、引き上げる能見氏(左)と鳥谷氏(撮影・平嶋 理子)
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 【能見篤史 視点】開幕からの4連勝を見て、今季もタイガースは7回以降の勝利の方程式がストロングポイントの一つになっている。「9回=湯浅」は決まっているが、そこにつなぐまではいろいろな継投パターンがあった方が長いペナントレースを乗りきれる。“方程式”ではなく、調子のいい選手、相手打線との相性などで臨機応変な継投が今のプロ野球界では主流だ。

 それを可能にする布陣がそろう。岩崎、浜地、石井、富田、加治屋、K・ケラー…。個々の力が高く、タイプも多彩。それぞれがいいスタートを切ることもできた。左肩の違和感で出遅れた岩貞の実戦復帰も間近と伝わり、さらに層は厚くなる。岩崎&岩貞はブルペン陣のリーダーとしても頼もしい。

 昨年まで2年間、オリックスで兼任コーチを務めたが、9回=平野佳以外は固定しなかった。言い換えれば全員が勝ち継投で投げられる戦力。仮に一人が調子を落としても誰かがカバーする。基本的に3連投は回避の方針で、平野佳が“休養日”でもワゲスパックや阿部、近藤らが9回を抑えてきた。ペナントレース2連覇の大きな要因の一つになり、今年のタイガースも同じことができる戦力がある。

 開幕戦の3月31日DeNA戦で36球、4月1日の第2戦で19球を投げた湯浅が同2日の第3戦では「休養」した。4点リードの9回は石井が無失点に抑えた。ルーキーの富田も第2戦で同点の延長12回にプロ初登板して勝利投手になった。先を見据えた投手起用で、いま若い投手がつけた自信はシーズン中盤、後半に必ず生きてくる。(スポニチ本紙評論家)

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2023年4月6日のニュース