楽天・松井裕 守護神のための“心技体”全て兼備

[ 2023年4月6日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天1-0西武 ( 2023年4月5日    楽天モバイル )

<楽・西>笑顔でウイニングボールを掲げる松井裕(撮影・白鳥 佳樹)
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 【Hero's File】クローザーは「天職」なのだろう。松井裕の類いまれな能力を早くから見抜いていたのが、DeNAのコーチングアドバイザー・小谷正勝氏(77)だ。青葉緑東シニア時代に臨時コーチとして指導し「初めて見たのは中学1年。直球でも変化球でもストライクが取れて、中学生や高校生じゃ狙っても打てないような球を投げとったよ。将来はプロに行く素材だと思ったね」。巨人やロッテで多くのプロ野球選手を育てた名伯楽は、当時は横変化だったスライダーを縦の変化にするように助言した。

 現在は150キロ前後の直球に、高校時代に注目を集めたスライダー、そして20年の先発転向時に習得したフォークで三振を量産するスタイルを確立している。「左右よりも高低で打者を攻めた方が直球が生きる。分かっていても空振りを取れる球があるんだから、短いイニングは合っている」と目を細める。

 入団時の担当だった後関昌彦スカウト部長は「常に前向きでプラス思考。普段はニコニコしているけど、マウンドに上がるとスイッチが入る。持って生まれた体の丈夫さもある」と言う。守護神に求められる“心技体”の全てを兼ね備えているからこそ、松井裕が「みんなの気持ちが集まってくる場所」と表現する、最終回のマウンドに立ち続けられる。(重光 晋太郎)

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2023年4月6日のニュース