【伊東勤氏 視点】オリックス3連覇の鍵を握る「捕手・森」 首脳陣も高評価「野球に真摯」

[ 2023年2月15日 17:55 ]

オリックスの森友哉(右)と山本由伸
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 オリックスのキャンプで注目したのは森友哉の動きだ。中嶋監督、水本ヘッドコーチとも口をそろえて「森はいい。野球に真摯に取り組んでいる」と高く評価している。実際に森は投内連係でもブルペンでも声を出し、積極的にチームメートとコミュニケーションを取っていた。

 森がまず取り組まなければならないのが、自分が打者として対戦してきたイメージと実際にボールを受けて感じたことのすりあわせだ。私はオールスターで他球団の投手の球を受け、打席での印象と照らし合わせて、後半戦の打席に生かしていた。内角をえぐる荒れ球は意識して投げているのか。追い込んでから意図してボール球を投げているのか。キレがあるのか、回転が素直なのかどうか、など。投手によっては印象と大きく異なることもあった。森にその点を聞くと「投手は打席で見るのと全然、違う。思った以上に球の質がいいです。リードもやりがいがあります」と話していた。

 山崎福の投球練習終了後、ブルペン中央付近で2人が話し合っていた。内容は分からないが変化球の曲がり具合や落ち具合。ボールもう1個分、ベースを外した方がいいとか。森自身の感想をぶつけていたのではないかと思う。ブルペンと実戦でボールの質も違ってくるし、開幕に向けて多くの投手とこの手の作業を繰り返す必要がある。

 同一リーグ内の正捕手の移籍。森の手には西武時代に練り上げた他球団の打者攻略チャートに加え、オリックスが保有している古巣の西武を含めた5球団のデータもある。現時点ではポスト吉田正尚として3番起用が予定されているようだが、森の状態を見ながら打撃よりも守り重視。首脳陣は打順にこだわらず「捕手・森」を最大限生かす方法を考えているはずだ。3連覇のカギは森が握っているといっても過言ではないと思う。

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2023年2月15日のニュース