伊東勤氏 アンダーソンの夢打ち砕いた大谷翔平の対応力 並の打者ならバットはぴくりとも動かない

[ 2022年6月16日 17:13 ]

エンゼルス・大谷
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)は15日(日本時間16日)、敵地ドジャースタジアムでのインタリーグのドジャース戦に「3番・DH」でスタメン出場。チームが無安打で迎えた9回1死の第4打席にド軍アンダーソンのノーヒットノーランを阻止し、自身は今季最長の10試合連続となる三塁打を放った。エ軍は1―4で敗れて3連敗を喫し、借金6。大谷の第1打席は見逃し三振、第2打席は空振り三振、第3打席は遊ゴロだった。スポーツニッポン本紙評論家の伊東勤氏が大谷翔平の打撃を分析した。

 ノーヒットの重圧がかかる打席でも大谷の打撃は変わらない。思い切りのいいスイングでアンダーソンの夢を打ち砕いた。

 昨年の対戦成績は3打数3安打で内容は2本の三塁打と本塁打。アンダーソンは大谷を研究していたのだろう。3打席目までは大谷はうまく攻められていた。第1打席では1―2からの4球目。腕を下げてツーシームを投げてきた。6球目はクイックで外角に直球。これを見逃し3―2。最後は外角いっぱいの直球で見逃し三振に倒れた。第2打席では初球にクイックで直球を投げられ簡単にストライクを取られる。4球目に内角高めのツーシームで詰まらされると最後はチェンジアップで空振り三振。球種の緩急だけでなく、フォームにも緩急もつけて崩そうとしてくるアンダーソンに主導権を握られていた。

 第3打席は初球のツーシームを内野ゴロ。ノーヒットで迎えた第4打席。結果的に外より高めのカットボールを三塁打するのだが、前の打席で内角に食い込んでくる変化球で詰まらされていながら、初球から外に逃げていく変化球を打っていける思い切りは凄い。並の打者ならバットはぴくりとも動かない。重圧のかかる場面でそれをヒットにしてしまうのだから、改めて大谷の能力の高さを感じた。負けはしたが1本出るのと出ないのでは空気感は全然違う。登板日前、大谷は自らのバットでチームを鼓舞した。

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