DeNA・康晃 アウトロー宣言で守護神再奪取「原点を磨きたい」、球速よりも回転数重視

[ 2022年1月7日 05:30 ]

雪の中、坂道ダッシュをする山崎(撮影・光山 貴大)
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 DeNAの山崎康晃投手(29)が6日、神奈川県厚木市内で、クローザーの座を争う三嶋、伊勢らとともに恒例の「チーム厚木」自主トレをスタート。質の良い直球を外角低めに集める、原点回帰の「アウトロー宣言」で復活を期した。目指すは守護神復帰と最下位からの逆襲。直球を磨き直し、ヤスアキが就任2年目の三浦大輔監督(48)を24年ぶりの日本一へと導く。

 舞い落ちる雪を見つめ、山崎はつぶやいた。「自主トレ初日の雪は珍しい」。冷え込むグラウンドで、力を込めた。

 「今季は原点を磨きたい。やはりアウトロー。右打者の一番遠く感じる部分。もう一度、(外角低めの)自分の目指す場所に戻りたい」

 昨季は前年の不調が響きプロ初の春季キャンプ2軍スタート。右腕は悩んだ末、それまで球種選択が少なかったスライダーやカーブを試し、シーズンでも投じた。「いろんな球種に挑戦し、幅も広がった」。半面、救援失敗も目立って2軍落ちも経験。60試合に登板したものの、わずか1セーブに終わった。抑えの座は主に三嶋が担い、最終盤には伊勢も務めた。自主トレではライバル2人とともに汗を流し、高め合う。

 巻き返しに向け、決意したのが原点回帰の投球。「勝負どころの直球が自分の生命線」と、外角低めの直球を磨く。山崎の昨季球数は956球で直球は435球。右打者の外角低め(ストライクゾーンのみ)は10球で全体の1%と少なかった。その10球に被安打はないものの、真ん中の高さでは23球で10打数4安打、被打率・400と痛打された。

 29歳で通算170セーブを積み上げた右腕が、制球力の重要性を改めて痛感。精度の向上に加えて「球速よりも質のいい回転数があり、浮力のある(浮き上がるような)球」を投じ、クローザー争いから一歩抜け出す。

 「脂の乗った年だし、もう一度、直球を磨き正々堂々ポジション争いをしたい」。最下位からの巻き返しと番長の胴上げに向けて、ヤスアキがアウトローを極める。(大木 穂高)

 《制球乱れて痛打》山崎(D)の昨季右打者に対する直球被打率は・269。コース別に見ると外角低めが結果球となった場合は、2打数0安打の被打率・000に抑えている。しかし、その周辺が結果球となった場合の被打率は、外角中段が・400、真ん中中段が・353、真ん中低めが・333とアウトローに決められなかった球を痛打されている。

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2022年1月7日のニュース