落合博満氏が明かす秘話 あのアライバと“意地の張り合い”「あとの若い連中は逃げた」

[ 2021年12月30日 06:30 ]

落合博満氏
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 現役時代に三冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が、29日に放送されたMBSラジオの「JA淡路日の出スポーツスペシャル ~MBSベースボールパーク番外編~ 落合博満×掛布雅之 THE・野球談議」に出演。現役時代は阪神の4番に座り、阪神2軍監督なども務めた掛布雅之氏(66)との対談で、愛弟子の「アライバ」に関する秘話を明かした。

 番組で落合氏は、負けない野球を徹底するため、二遊間を鍛え上げたという話を披露。「嫌って言うほど、ノックバット振ったね」と、のちに“黄金の二遊間”と言われる遊撃・井端弘和、二塁・荒木雅博に対して、徹底的に守備練習を指示したことを明かし、面白いエピソードも語った。

 「彼らはね、俺がノックバット振った時に、ジャンパー着ていたのよ。それをどうにか脱がそうというね。ところが、俺もいくら暑くても脱がなかったから。それを、どうやって脱がそうか考えてやっていた、という話をちょっと聞いたんだ」

 涼しい顔でノックを打つ落合監督を“本気”にさせようと、アライバは意地でも練習をやめなかったという。その魂を落合氏も感じていた。「それをやったのが、井端と荒木と森野。あとの若い連中は逃げた。(逃げる者は)俺は追わない。レギュラー獲りたくないんだなって。うまくなりたいというやつが来れば、いくらでも手伝いますよ。今は死語になったけどさ、練習は嘘をつかない」と、愛弟子に掛けた“愛”のノックを振り返った。

 監督時代は、とにかく負けない野球にこだわった。「守りには、そんなにスランプはないんだ。打撃は水物。きょう打っても、明日はまるっきり打てない時もある。これほど、計算の立たないものはない」と、伝説の強打者とは思えない発想の転換でチームを指揮した。「投手で守り勝つ野球。ごちゃごちゃしたゲーム展開より楽だよ。0-0で行った方が。6回まで0でいったら負ける気がしなかったもん。ノーヒットで1点を取ることを考えながらね」。これには聞いていた掛布氏もうなるしかなかった。

 くしくも落合監督時代の2011年には、チーム打率、得点数がセ・リーグでワーストだったが、何と見事に優勝。「(チーム打率)・220しかなかったからね。今の野球で貧打戦とかいうけど、俺ら、どうだったんだよとさ。打てなきゃ、打てない中で野球の仕方があるだろうって」と振り返っていた。

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2021年12月30日のニュース