関本賢太郎氏 感銘受けた新庄監督の言葉は 2021年の野球界10大ニュースで振り返る

[ 2021年12月29日 07:00 ]

新庄新監督の就任会見
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 スポニチ恒例の年末企画「関本賢太郎氏が選ぶ2021年野球界10大ニュース」。今年もコロナ下でさまざまな活動が制限された中、新庄剛志氏の日本ハム監督就任を1位にノミネート。阪神時代の大先輩でもあり、希代のエンターテイナーでもある新庄監督について、関本氏が当時の思い出と今後の展望を語った。

 【1位 新庄剛志氏 日本ハム監督就任】
 野球ファンと同様、関本氏も驚きとともに第一報を受け止めた。

 「ある意味、一番、監督にならないようなキャラクターに見えますが、外野守備について熱く語る一面からも分かるように、野球に対しては緻密な方。新庄さんを監督に据えた日本ハムは凄いと思いましたし、監督就任後に“ファンに愛してもらうには、まず僕らがファンを愛さないといけない”という言葉にも感銘を受けました」

 96年にドラフト指名された同氏にとって、当時の新庄は阪神を代表するスーパースター。2軍暮らしが大半だったこともあり接点はほぼなかったというが、初めての会食は忘れがたい思い出だ。

 「入団した97年の春のキャンプ中に一度、お食事につれていっていただきました。でも、めちゃくちゃ緊張していて、ほとんどしゃべれなかったことを覚えています」

 何かと話題を振りまく新庄監督だが、関本氏が注目しているのは来季のソフトバンクとの開幕戦。ビッグボスならではのサプライズを予想する。

 「僕はユニホームじゃなく、ど派手なスーツでベンチ入りされるんじゃないかと思っています。監督、コーチにユニホーム着用の規定はない。今から楽しみにしています」

 果たして!? 

 【2位 オリックス 25年ぶりリーグ優勝】
 なんと言っても山本投手。全球種が速い。完投能力があって試合の中で強弱をつけられる。ストライクゾーンで勝負できる投手はなかなか打てません。ラオウこと杉本選手は、中嶋監督が2軍監督の時から見てくれていた安心感があったと思います。僕も岡田監督が同じケースだったので、余計なアピールを考えずできました。

 【3位 大谷翔平 リアル二刀流】
 ピッチャーだけでも年間通じてローテーションを守ることは、どれだけ大変なことか。その上、バッターとしても1年間、出場を続けていたわけです。単純に考えれば、投手と打者の練習を両立するということは、体力が2倍必要。もう、本当に想像を絶する世界です。どちらか一つに絞れば、一体どれだけの成績を残すのか…。

 【4位 元阪神・鳥谷敬 引退】
 気持ちの区切りをつけるためにロッテへ行ったのでしょうが、自分で幕を引けたのはトリらしいかなと思います。彼のプロ野球人生をほぼ見させてもらいましたが、努力であれだけの実績と地位を築き上げた。決して天才肌ではなかったはずですが、ショートの守備も年々上達。全てを野球にささげる姿は尊敬の一言でした。

 【5位 阪神 無念のV逸】
 ヤクルトがシーズン終盤の勢いで阪神を上回っていた。もう、それに尽きると思います。そこで選手に振り返ってほしいのは、自分たちに勢いを感じていたかどうか。少なくとも03、05年の優勝時には、チームに勢いがありました。夏以降が本当の勝負ということも肌で感じたはずですし、その経験を来季に生かしてほしいです。

 【6位 平成の怪物 松坂大輔 引退】
 全盛期のボールは本当に“エグかった”です。05年5月18日に甲子園で対戦しましたが、4打数無安打3三振。1打席目は1ボールから3球連続の外角低めストレートを投げられ、空振り三振でした。それも全て150キロ超え。スピードガン以上に速く感じましたから、もうね(笑い)。もちろんスライダーも凄かったです!

 【7位 東京五輪 稲葉ジャパン金メダル】
 中断期間が用意されていたとはいえ、やはりコロナの中では調整がかなり大変だったと思います。ましてや自国開催で、金メダル獲得を厳命されている。最高の結果で期待に応えた精神力たるや、素晴らしいの一言です。しばらく代表入りを果たせていなかった阪神からも岩崎、青柳、梅野が出場。見ていて頼もしかったですね。

 【8位 ヤクルト 投手再建で日本一】
 昨年までは正直、投手力が弱かったと思います。まずストライク率を上げることに着手したことで、これまでとは状況が一変。投手出身である高津監督の手腕はやはり、大きかったと思います。中でも僕が注目したのは正捕手・中村。リードもさることながら、6番を打てたことで打線に厚みがでた。攻守における貢献度は大です。

 【9位 21年ドラフト新人当たり年】
 これだけの当たり年は、記憶にない。佐藤輝、中野、伊藤将も特別表彰…。栗林投手のセーブ失敗が1度もないという事実は、ちょっと考えられないことです。DeNA・牧も東都出身ですから、プロの投手のレベルを知っていたとはいえ、残した数字はやはり異次元。うまく休養を与えながら起用した三浦監督ら首脳陣も凄い!

 【10位 智弁和歌山 夏の甲子園V】
 元プロ野球選手が全国制覇したことで、高校野球に新たな流れが生まれるでしょう。名将・高嶋監督の後を継いだ重圧もはねのけた中谷監督には敬意を表します。高校野球は時間との闘いのはずなのに、オフシーズンを取り入れた発想は従来になかったもの。それに応えた選手といい、夏の優勝校にふさわしいチームでした。

 【番外編 奈良県人会 待望の新人3人】
 オリックス2位の野口選手、広島5位の松本選手、そして中日6位の福元選手…。彼らの共通点を即答できる読者の方は、かなりの野球ファンでしょう。そう、3人とも我らが奈良県民です!待望久しいフレッシュマン。来年はぜひ、12月のプロ野球奈良県人会に参加して、ふるさとの子供たちに夢を与えてあげてください!

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