松坂大輔氏&斎藤佑樹氏、夢広がる第一歩!資格回復の研修既に受講

[ 2021年12月29日 05:31 ]

98年、夏の甲子園を制した横浜時代の松坂大輔氏(右)と、同じく06年に優勝した早実の斎藤佑樹氏
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 甲子園のレジェンドが、指導者としての第一歩を踏み出した。今季限りで現役を引退した松坂大輔氏(41=元西武)と斎藤佑樹氏(33=元日本ハム)が、学生野球の指導者になるために必要な資格回復の研修を受講していることが28日、分かった。2人の甲子園優勝投手によるアマ球界への恩返しが実現すれば、野球界の底辺拡大にも一役買うことになりそうだ。

 学生野球資格回復制度による研修会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、昨年度からeラーニング(オンライン)形式に変更された。希望者は申し込み手続きを済ませた後、今月中に設けられた期間内に各自で研修動画を視聴し、後日リポートを提出する。スポニチ本紙の取材によれば、松坂、斎藤両氏は既に受講を進めているという。受講を修了し、資格回復が認められれば、来年2月から高校野球などの指導が可能になる。

 松坂氏は横浜高3年時の98年にエースとして甲子園で春夏連覇を遂げ、国体優勝との「3冠」を達成した。夏の甲子園では準々決勝のPL学園戦で延長17回250球を投げ切った死闘、決勝では京都成章を相手にノーヒットノーランを演じるなど、数々の伝説を残した。10月19日の引退会見では「野球界、スポーツ界に恩返しできる形をつくっていきたい」と話していた。

 早実のエースだった斎藤氏は06年夏の甲子園決勝で駒大苫小牧・田中将(現楽天)と壮絶な投げ合いを演じ、再試合の末に優勝。早大でも東京六大学リーグ6人目の30勝&300奪三振と活躍した。本紙の取材に「今の自分があるのはアマチュア球界のおかげで、自分にできることがあれば貢献したい思いは強いです。その準備のために受講しました」と思いを吐露。「この先、自分の経験や知識がお役に立つ機会がくれば、惜しみなく伝えていけたらと思っています」と意欲を語った。

 昨年12月と今年の11、12月にはマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏が智弁和歌山、国学院久我山(東京)、千葉明徳、高松商(香川)の4校を臨時指導。日米通算4367安打の天才打者が打撃、守備、走塁のポイントを伝えた。一方、松坂、斎藤両氏はいずれも甲子園の優勝投手。技術に加え、過酷なトーナメントを勝ち抜くためのノウハウやメンタル面のアドバイスも送ることができる。

 今年の日本高野連の加盟校数は3890校で16年連続の減少、硬式野球部員数は13万4282人で7年連続の減少となった(いずれも5月末時点)。第二の野球人生を踏み出す甲子園のヒーローたちのアマ指導に、大きな期待が寄せられる。

 ≪イチロー氏は20年に認定、4校指導≫20年2月に資格回復認定されたイチロー氏は、同年12月に臨時コーチとして智弁和歌山で3日間指導。同校の教職員と草野球で対戦するなど縁があり、走塁や打撃を実演した。最終日に「ずっと見ているから、ちゃんとやってよ!」とエールを送られた智弁和歌山は、翌21年夏の甲子園で21年ぶり3度目の全国制覇を達成した。今年は11月に国学院久我山、12月に千葉明徳、高松商を指導。いずれも生徒や監督、理事長からの熱いメッセージに応えて実現した。

 ▽学生野球資格回復制度の研修会 プロ経験者が高校や大学で野球を教える資格を、短期間で回復するために創設された。13年以前は元プロが指導するためには「中学、高校での2年以上の教諭歴」などの制限があったが、13年にアマチュア資格回復の制限が大幅に緩和。翌14年からプロ側と学生野球側が行う研修を受け、日本学生野球協会による適性審査を経て資格回復が認められるようになった。19年からはプロ球団に在籍中の監督、コーチ、選手らの受講も可能になった。

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