エンゼルス・大谷はMVP決定直後に筋トレしていた “最優秀通訳”水原一平氏が明かす受賞当日の舞台裏

[ 2021年11月23日 05:30 ]

水原一平 I REPORT 特別版

大谷(右)と水原通訳
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 MVP当日も練習漬け!19日に史上19人目の満票でア・リーグMVPに輝いたエンゼルス・大谷翔平投手(27)の歴史的一日の舞台裏を、水原一平通訳(36)が「I REPORT」特別版で明かした。真っ白な背景、カジュアルな服装の理由は――。水原通訳は22日、球団から「最優秀通訳」として表彰されるなど、「最強コンビ」はさらなる高みに向けて既に動きだしている。

 翔平が満票でア・リーグのMVPを受賞しました。満票の可能性があるとは思っていましたが、うれしさ倍増ですね。

 実はプレゼンターを務めたフランク・トーマスさんが「unanimous vote(満場一致)」と発表した際に「おお!」となって、思わず口笛を吹いてしまいました。当日のニュース番組を見ていると映像にその音声が入っていて「やべえ」と、初めて気付いて恥ずかしかったです。翔平はたぶん知らないと思います。

 発表の朝は、いつも練習している施設で待ちました。待機中にフィリーズのハーパー選手がナ・リーグMVPを受賞して家族全員で盛大に祝福しているのに対して、こちらの映像は翔平一人で背景も真っ白。凄いシンプルで翔平らしいなと思って見ていました。テレビ中継が終わった直後は、2人で握手して喜びを分かち合いました。

 ただ、感傷に浸ることはありませんでした。翔平は1時間後の電話会見までの時間を使ってウエートトレーニングをしていました。「上半身の日」だったのでベンチ(プレス)系のメニューをこなしていました。時間がもったいないと思ったようです。中継で紺色のジャケットとTシャツのシンプルな服装だったのも、パッと着替えて動けるようにということだと思います。

 だから、電話会見ではトレーニングウエア姿でした。その後は夕方5時からまた違う場所で技術系の練習をして、全て終わったのが午後9時。起きたのが午前6時台だったので長い一日でしたね。翔平が会見で言っていた通り、翌日も朝から練習だったので、練習後にお祝いで集まることもなく、夜更かしもしていないと思います。

 祝福のメッセージはありとあらゆる方々から頂きました。エンゼルスタジアムに観戦に来られたこともある「GLAY」のTAKUROさんからは「おめでとうと伝えてください」というメッセージが届きました。ありがたかったです。

 翔平は14日から屋外で練習を再開しました。僕はキャッチボール相手、動画の撮影などをして、打撃マシンにボールを入れたり「置きティー」(ティー台に置いたボールを打つ)を手伝ったりしています。翔平は日本の運転免許証を持っていないので、僕がレンタカーを借りて運転手役を務めています。

 来季もケガなく、1年間戦い続ければ、数字は必ずついてきます。欲を言えば今季は打者で規定打席に達したので、次は投手で規定投球回に到達してほしいと願っています。コミッショナー特別表彰を受けた日にワールドシリーズ第1戦を一緒に観戦しましたが、翔平はああいう舞台でこそ輝く選手。ぜひプレーオフで戦う姿を見たいです。(エンゼルス通訳)

 ◇水原 一平(みずはら・いっぺい)1984年(昭59)12月31日生まれ、北海道苫小牧市出身の36歳。91年から米ロサンゼルスに移住。大学卒業後、岡島秀樹(レッドソックスなど)の通訳を経て13~17年、日本ハムの通訳。18年から大谷の通訳としてエンゼルスに所属。

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2021年11月23日のニュース