広島ドラ1黒原仮契約 球団新人左腕初の2桁勝利で新人王狙うぞ 救援ならセ新人最多ホールドを視野

[ 2021年11月13日 05:30 ]

仮契約を終えた広島ドラフト1位の黒原はスラィリー人形を手にポーズをとる(撮影・奥 調)
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 広島からドラフト1位指名された関学大・黒原拓未投手(21)が12日、兵庫県尼崎市内のホテルで交渉に臨み、契約金1億円、年俸1500万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。先発なら球団新人左腕初の2桁勝利、救援なら11年榎田(阪神)が持つセ・リーグ新人最多33ホールドの更新に意欲。目標とする新人王を達成すれば球団左腕初の快挙とあり、歴史を塗り替える活躍に向けて意気込んだ。

 森下、栗林に続くドラフト1位としての覚悟はできている。「プレッシャーと言われたとしても、やるしかない」。交渉を終えた黒原が見据えたのは、広島の新人左腕が誰一人として達成できなかった未知の領域だった。

 現在は先発、救援の両にらみで調整中。関学大では主に先発を務めており、「先発なら2桁勝利はしないといけない」と言い切った。球団新人で2桁勝利を挙げたのは過去9人。その全てが右腕とあって、左腕として初の大台到達を思い描く。

 救援なら抑えの栗林につなぐ勝ち継投入りが期待される。セ・リーグ新人最多ホールドは11年榎田(阪神)の「33」で「そこが(目標の)ラインになると思う」と言及した。今季森浦がマークした球団新人最多17ホールドの更新は通過点。先発、救援のいずれであろうと、広島の新人左腕史を新たに塗り替えることが目標になった。

 前年ドラフト1位の栗林は今季、歴代新人最多タイとなる37セーブを挙げた。「その波に乗りたい。目標は大きい方がいい。新人王を目指して必死に頑張ります」。球団で新人王を受賞した過去10人のうち左腕はゼロ。この目標もまた、球団左腕史への挑戦となる。

 担当の鞘師智也スカウトは「勢いのある投球スタイルなので、救援の方がイメージはしやすい」と説明した。起用法は春季キャンプでの投球を踏まえて首脳陣が判断する。黒原は「入ってしまえば、みんながライバル。年齢も指名順位も関係ない。周りの一人一人に負けないという負けん気が大事だと思います。野心を燃やして頑張ります」と胸を躍らせた。この強気な姿勢で1位指名の重圧を乗り越える。(河合 洋介)

 【黒原と一問一答】

 ――同学年のヤクルト村上への対抗心は。
 「同級生が4番を打っていて凄いな…と単純に思っていたけど、これから活躍しようと思えば、そういう選手と戦って結果を出さないといけない。どういう打者が来ても抑えられるように頑張りたいと思います」

 ――村上との対戦経験は。
 「話したことはないですけど、高校の時に練習試合を1度しました。結果は忘れちゃいました…。大きいというか、オーラがあって、ちょっと他とは違うものを感じました」

 ――ドラフト会議当日にコイ党の岸田首相がSNSで黒原の指名を喜んでいた。
 「首相からツイートしていただけるなんて…。うれしく思いますし、期待に少しでも応えられるように努力しようと、モチベーションも上がりました」

 ◇黒原 拓未(くろはら・たくみ)1999年(平11)11月29日生まれ、和歌山県海南市出身の21歳。日方小1年から日方スポーツ少年団で野球を始め、海南中では軟式野球部に所属。智弁和歌山では1年秋からベンチ入りし、2年秋からエース。3年夏に甲子園出場し、2回戦敗退。関学大では1年春からリーグ戦に出場し通算13勝。今春リーグ戦で最優秀選手、最優秀投手、ベストナインを獲得。1メートル73、76キロ。左投げ左打ち。

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