広島・佐々岡監督 来季はヤクルト式でV奪還 課題は救援陣の再整備とチームの一体感づくり

[ 2021年11月3日 05:30 ]

松田元オーナーにシーズン終了のあいさつを終え、取材に応じる佐々岡監督
Photo By 代表撮影

 広島・佐々岡真司監督(54)は2日、広島市南区の球団事務所を訪れて、松田元オーナー(70)にシーズン終了を報告した。今季は63勝68敗12分けの4位で終了。前年最下位から優勝したヤクルトの一丸野球を参考に、以前から強調し続けている「一体感」を再度見つめ直す構えを示した。また救援陣の再整備から投手力強化を図るなどの“ヤクルト式”で、来季の4年ぶりとなるリーグ制覇を見据えた。

 シーズン終了の報告に向かった佐々岡監督は、松田オーナーから「1年間の課題を見つめ直して頑張れ」と声をかけられた。課題は投打ともに山積み。ただし指揮官が真っ先に指摘したのは、信条として掲げ続けてきたはずの一体感だった。

 「選手のいいところを引き出してあげられなかった。選手、コーチともコミュニケーションから、もっと取らないといけない。監督になったときに“一体感”という言葉を使ったけど、本当に一つの目標に全員が向かうというところをもう一度やらないといけない」

 これまでも事あるごとに一体感を強調してきた。今季、主将制度を復活させたのも、リーダー役を置いてチーム一丸を推し進めるためだった。しかし指揮官の理想を最も体現していたのは、前年最下位から優勝したヤクルトだったと言う。

 「ヤクルトを見るとベンチワークができていた。チームの課題は投手にも野手にもあるけど、まずはそういうところから見つめ直さないといけない」

 精神面以外にも見習うべきところはある。ヤクルトは清水、マクガフの勝ち継投を中心に今野、石山、坂本ら救援陣が奮闘して過去2年リーグワーストだったチーム防御率を同3位(3・48)まで改善させた。一方、チーム防御率が同5位(3・81)に低迷した広島は、勝ち継投を固定できずに接戦を取りこぼし続けた。シーズン最終盤に島内と森浦が7、8回を担うまでの成長を見せたとはいえ、枚数が足りないのは明白。指揮官も「力のある中継ぎがローテーションのように回れるようにしたい」と救援陣の再整備から投手力強化を見据えている。

 ヤクルトが最下位から優勝したように、Bクラスに沈んだ屈辱も来季の糧となる。「優勝争いをできなかった悔しさを、みんなが持っていると思う。今年も最後はいい形で終わった。春先からではなく、秋季練習から2月のキャンプでつくり上げていって開幕に入れれば、いい戦い方ができると思う」。ヤクルトの下克上をヒントに、鍛錬の秋に臨む。(河合 洋介)

 《オーナーは逆襲期待》佐々岡監督と松田オーナーは、球団事務所で約60分間話し合い、同オーナーは「(鈴木誠らの)新型コロナ感染も痛かったが、前半戦に打てなかったのも痛かった。投手も頑張っていたが、かみ合わなかったという話をした」と振り返った。すでに佐々岡監督には来季続投を要請して受諾済み。「(惜しくても)4位は4位。やはりAクラスには残ってほしい」と来季の逆襲に期待した。

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2021年11月3日のニュース