広島・坂倉 執念V打!主砲・誠也が四球で歩いた直後に5番が発奮「ここから頑張って粘りたい」

[ 2021年9月25日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9-2DeNA ( 2021年9月24日    横浜 )

<D・広19>3回、2点適時二塁打を放つ坂倉(撮影・島崎忠彦)
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 広島・坂倉将吾捕手(23)が24日のDeNA戦で意地の決勝打を放った。西川の二ゴロで23イニングぶりの得点を挙げて同点とした3回、なおも主砲・鈴木誠が四球で歩いた2死一、二塁で右中間へ2点二塁打だ。大瀬良大地投手(30)は8回途中2失点の力投で7勝目。9―2で大勝したチームは連敗を2で止めた。

 本拠地で2試合連続零敗を喫し、横浜へ移動しての9連戦の7戦目。西川の二ゴロで23イニングぶりに得点を挙げて1―1とした3回、主砲・鈴木誠が四球で歩かされた直後だった。なおも2死一、二塁の好機で、5番・坂倉が執念と意地を見せた。

 「(2回裏に先制点を)取られた後、逆転につながるヒットになって良かったです」

 カウント1―1からの3球目。DeNA・宮国が投じた内寄りカーブを振り抜くと、打球は敵地の右中間を割った。勝ち越しの2点二塁打。直球→直球からの109キロにタイミングを合わせた。「1打席目に(カーブを)見て振れそうだったので」。センスだった。

 規定打席に初めて到達し、いきなり打率1位に躍り出た9月7日の中日戦。数字の呪縛は、しかし、知らず知らずのうちに打撃を狂わせた。「やっぱり数字は見てしまう。意識するまいと思っても周りが言うし…」。11日の阪神戦から18日のDeNA戦まで26打席無安打。底だった。

 「いつか出るから変えるな。いい当たりも出ているから」。主砲が坂倉に送った助言だった。鈴木誠自身、首位打者を獲得した19年に22打席無安打の経験がある。当時の記憶をたどり「オレは(バットが)振れなかった。振れるのはいいことだから」と励ました。

 直近10試合は打率・132。鈴木誠が勝負を避けられる場面が増えていた。そうした状況下でのV打。佐々岡監督は「今日の練習でも2死二塁とか自分で場面を設定して打っていた。しっかり、勝ち越し二塁打を打ってくれた」と称えた。

 この日は1安打に終わったものの、鋭い打球は複数あった。坂倉も手応えを感じ取る。

 「全部打ったら、150打点に届くんじゃないか…というぐらい得点圏で回るけど、打っても3割。見え方、入り方は良くなってきたかな…と思うので、ここから頑張って粘りたいなと思います」

 もがき苦しんだ経験は血肉になる。まだ23歳。壁を乗り越えてまた大きく成長する。(江尾 卓也)

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