日本ハム・上沢 3年ぶり感謝の10勝「家族や支えてくれた裏方さんのおかげ」

[ 2021年9月25日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―1ソフトバンク ( 2021年9月24日    ペイペイD )

<ソ・日>力投する上沢(撮影・岡田 丈靖)
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 日本ハムの上沢直之投手(27)が力のある直球を軸に11三振を奪う118球の力投で、8回を3安打1失点に抑えて自身3年ぶりの2桁勝利となる10勝目を挙げた。チームに連勝をもたらせたエースは、達成感よりも、感謝の思いでいっぱいだった。笑顔は控えめに熱い胸の内を語った。

 「ケガしてから、いろいろつらいことがあって、こうやって(2桁)勝つことができたのは家族や支えてくれた裏方さんのおかげだと思う」。19年のシーズン途中、DeNA戦で左膝に打球を受けて手術。長くつらいリハビリに耐えて昨年6月に復活し、ここまでやってきた。今季がプロ10年目。決して順調ではなかったから、2桁勝利の重みも分かる。

 11勝した3年前とは違う。苦しんだ分だけ成長した。この夜のマウンドに、その成長がはっきり表れていた。

 150キロ前後の直球を軸に変化球を巧みに配した。力で押し、打者の狙いを感じ取って打ち気を外す。4回まで毎回奪三振で無安打に抑えれば、初安打を許した5回も併殺で切り抜けた。圧巻は7回2死一、二塁。6番・牧原大に対して0―2から直球が外れると、4球目も151キロの直球で見逃し三振だ。

 「変化球で仕留めるイメージがあると思うんで、ストレートの後にストレート。打者の意図を感じて投げられた」

 3年前には左打者にしか投げなかったチェンジアップ、カットボールも右打者に対しても使う。全球種を打者の左右関係なく投げるから「ストライクを取れる選択肢が広がった」という。そのチェンジアップは同僚の金子から教わったもので、カーブはB・ロドリゲスから伝授された。自身の成長のため教えを請うことに抵抗はない。ただ「大海(伊藤)のスライダーはまねしようと思ったけど、あれは無理」と笑った。

 苦難を乗り越えた証の2桁勝利。栗山監督も「流石(さすが)だね、流石。流石という文字を漢字、カタカナ、平仮名で(記事に)いっぱい書いてください」と絶賛した。エースの次なる目標はキャリアハイとなる12勝、そして1勝でも多く積み上げていくことだ。(秋村 誠人)

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2021年9月25日のニュース