阪神・近本が考える打撃論 結果には着目しない!?

[ 2021年9月2日 10:30 ]

阪神・近本
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 阪神・近本には好調を支えている独自の考え方があった。以前、打撃において、最も大切にしていることは何かと聞いた際に明かしてくれた言葉が印象的だった。

 「結果でその日の気分や状態も左右されることがあると思うんですけど、結果に着目して物事を判断するのではなくて、どういう内容で、どういう理由があって、こういう結果になったとか、そういうところを最近は見ている」

 8月26日のDeNA戦からは6試合連続マルチ安打を記録し、リーグ最多の127安打(1日時点)と好調を維持。もちろん、結果が出れば気持ち的に乗ってくる部分もあると思うが、近本は過程を大切にしている。

 「ちょっとだけタイミングがずれてアウトになった。それだけのことなのに、なんで、あそこで詰まるのかなとか、考えていって、そこは問題じゃないから、そのままで、ちょっとタイミングを早く取るとか、右足の着地を早くするとか、そういうふうに考えられるようになった」

 もちろん、映像などを見返して、修正に努めることもあれば、打席の中で対応していくこともある。その『修正』をするにも、どこが悪いか、どうすればいいのかを自分で理解していなければ、結果にもつなげられない。開幕直後こそ不振に悩まされたが、自己分析をしっかり行い、疑問に思うことがあれば積極的にコーチをはじめ、チームメートにも助言を仰いだ。

 実際、交流戦の頃からは右足を上げてタイミングを取る際、軸足の左足が2段モーションのようになっていることに映像を見て気がついた。「それはダメなんですよ。左足の膝に力が入って、頭が下がっていくというのがあって…」。力が直接ボールに伝わらないと改善を図った。

 常に向上心を持って、理想を追い求めている近本。ここから優勝に向けて厳しい戦いは続くが、さらなる真価に期待したい。(記者コラム・長谷川 凡記)

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2021年9月2日のニュース